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悪魔がウチにおりまして・708

ウチには悪魔が居る。

しっかりと不貞腐れている悪魔が。


「しーんーじーらーれーなーいー」

およそ3時間、ずっとそんなことを言いながら毛布に包まりゴロゴロしている。

「絞めます?」

狐ー、遠慮しろー?

「ボクはー傷付きましたー。連れ去られー助けられた直後に殴る蹴るの暴行ー。世界を信じられませーん」

「おはぎ」

「んぬぅ」

あ、黙った。

「良いですか、ミミ殿」

狐がゆらりと近付いて、頭をぽんっと叩く。

悪魔は逃げようとした!しかし、毛布のせいで逃げられない!

「誘拐されたことは災難でしょう、同情致ちます……だが!ちかし!」

悪魔の頭に肉球がめり込む。

「攫われたことと、それがちの大切にちていたおはぎを食べたのは別問題!」

「ごんちゃん!ごんちゃん!その折檻は昨日受けました!二重懲罰は違法なのです!」

どこの法律だ、それは。

「大丈夫です、これは私刑なので」

大丈夫じゃない、それは。

「平然と言うなです!?」

痛めつけられる側の主張が正しいの珍しいなぁ。

「さぁ、みみちゃん?2度とヒトのモノを食べないように洗脳せねば」

「ごんちゃん!?せめて教育にしません!?」

狐ー、食べ物の怨みが限界突破してるわよー。

「大丈夫、大丈夫。少ちしたら気持ちよくなりますから」

「ニンゲン!ニンゲン!このごんちゃんもニセモノかも知れません!」

「狐ちゃーん、悪魔泣いてるよー?」

「ニンゲン殿、命までは奪いませんので」

うん、たぶん、おそらく、めいびー本人だ。

「ならいっか」

「よかねーですよ!?」

うぱが飛んできて悪魔の盾になる!さすがにDVはダメらしい!

狐がイチゴを出した!うぱは道を譲った!

「うぱちゃん!!!???」

うぱ、なにか悪魔に諭している。

「狐ちゃん、そろそろおふざけは止めてあげなー、またやったら折檻すればいいからさ」

「ですね、これくらい脅せば1ヶ月は持つでしょうから」

……そうよね、1ヶ月くらいしか反省しないよね。

「に、ニンゲン……ありがとうございます!実は、ニンゲンのアイスも」

「狐、絞めてよし」


ウチには悪魔が居る。

タロット12番のモノマネをさせられている悪魔が。

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