表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
694/1160

悪魔がウチにおりまして・683

ウチには悪魔が居る。

ちょっと焦げている悪魔が。


「悪魔、なんで焦げてんの?」

悪魔の後頭部の毛が少しばかり黒ずんでいる。

「何言ってるですか、ニンゲン!昨日一緒に大気圏ダイブしたじゃないですか!」

いらん、いらん。トンチキが終わったら全部リセットされる相場を無視しないで。

「まさかミミ君が星屑になるなんて、想像できませんでした……!」

羊さん、ハンカチで涙拭ってるところ悪いけど、その星屑目の前でトーストにバター塗ってるんだわ。

「いやー、このバタートーストが無ければ一巻の終わりでしたー」

悪魔も悪魔でテキトーに合わせてるんじゃない。

「ニンゲンさん、このゆで卵は立つのでしょうか?」

牛が手に持った、殻も剥いていない卵をしげしげと眺めている。

「牛さん、机にがつーんするです、がつーんって!」

トーストを置いた悪魔が手を上下に振って、机にヒヅメを激突させて悶えている。

「ふぁにー・ぼーん……!」

「骨じゃないでしょ」

こんなくだらないことで突っ込んでしまった!

「ニンゲンにはわからないのです!例えるならタンスにローキックしたら、角に当たった感じです!」

せめて小指にしなさいよ。

「しかしなんで宇宙に居たのかしら?」

「宇宙じゃなく、宇宙そらです!」

おっと指が。

「目が、目がぁ!?」

転がる毛玉に寄り添う毛玉。ケサパサ、放置でいいのよー。

「あれ、気付いてませんでした?連れ去られてたんですよ?」

はいぃ!?

「連れ……連れ……!?」

「ニンゲン、分かって無かったですー?」

おっと、指が、パート2。知ってたなら教えなさい。

「最近悪しきものの動きが活発ですからね。力ある者を取り込んだり取り入ったり動きが騒がしいのです」

羊、割と大変なことを話してるはずなのにところてんをすするのやめない?

「私、さらっても大したこと……」

悪魔、羊、牛、なんならケサパサまで揃って大きくため息を吐く。

「ニンゲン、自覚しているのに周囲に同意を求めるのって性格悪いですよ?」

1番言われたくない悪魔から言われた!

「つまり、私にも害悪が襲ってくるから気を付けろって?」

ナマモノフレンズ、揃ってサムズアップ。

とってもムカつきます!

「ニンゲンも自分ひとりで守れるようになりませんと」

なんだろ、ちゃんとした忠告なのに受け入れがたいのは。


ウチには悪魔が居る。

「トースト焦げたですー!」

さっきまで少しカッコよかったのに……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ