悪魔がウチにおりまして・678
ウチには空飛ぶタネが……。
待てい！
ウチに帰ってくるとリビングで宙を舞うタネ。
タネにしたら大きいし光ってるしなんか目があるし。
スリッパを持っておそらくの元凶を殴りに向かう。
「悪魔ー（スパンっ）何か言いたいことは？」
「ニンゲン、逆に何故殴るです？むしろ説明してから……説明されても嫌です」
屁理屈こねこねしないの。
「この飛んでるなんかを回収しなさい。話はそれからです」
悪魔は唇を尖らせる。
「ですって、うぱちゃん。ところでニンゲン、ボクになにか言わなきゃいけないことは？」
「……ゴメンナサイ」
悪魔が腕を組んで胸を反らしている。ムカつくわぁ。
「さて、冤罪をかけたニンゲン。このビット君たちがどうしました？」
スパンっ！
「ビット？これうぱの物なの？危ないよ、こんなにたくさん飛ばしたら」
「ニンゲン！？謝った直後にＤＶですか！ニワトリなのですか！否！ニワトリすら３歩記憶が保ちます、ニワトリ以下じゃないですか！」
悪魔、今日攻撃力高くない！？
「悪魔、うぱの通訳」
「御意」
悪魔とうぱが身振り手振り、楽しそうに笑っている。
「うぱちゃんすごいですよねぇ」
うぱ頭かきかき。
「これどう使うですー？」
うぱ、銃を構える仕草。
「それはすごいですー！」
ふたりで納得するな！通訳！
「悪魔、このままでは読者もおかんむりです」
「次元の壁越えるなです。なんかーこれで砲撃するんですってー。うぱちゃんはひとりで作ったそうですー」
この飛んでるの、兵器でした。
「危なさしかなくない？」
「ニンゲンには効かないそうなのでー」
悪魔、なぜ目を逸らしているのかな？ちゃんと目を見て話さないとだめだぞぉ？
「ニンゲン！？こめかみに指刺さってます！結構痛いです！」
痛くしてんのよ。
「うぱ、暴発は無いの？」
うぱは胸をドンっと叩く。それを合図に空飛ぶタネはうぱの後ろに控えて並ぶ。
「……最近、変なの増えたね」
「ニンゲンが１番……ニンゲン！？耳はアカンです！深くまでいきます！」
はぁい、耳掃除のお時間ですよぉ？
ウチには悪魔がいる。
割と耳の中が汚かった悪魔が。
