悪魔がウチにおりまして・666
悪魔がウチにおりまして・666
ウチには悪魔がいる。
「我は求め訴えたりぃ!!」
どやかましい!!
人が3度寝を貪っているときにリビングから上がる叫び声。
またあの子が奇怪なことをし始めて!
しばき倒すためにリビングに出ると、床一面に大きな魔法陣。
ご丁寧にテーブルは部屋の隅に寄せている。
「我はー!求めー!……ニンゲン、おはようですー」
途中で止めて良いの!?
「悪魔、ハウス」
「ニンゲン、ウチはここです」
「ゴーホーム」
「ここです」
頭冷やすためにあっちに戻れって言ってんの。
「あのさぁ、叫び声もだけど床にこんなの書いたら狐ちゃんが……」
「おはようございます、某が何か……」
そのあとに起こった出来事を順番に話していこう。
まず狐が消える。
その瞬間悪魔が慌てて床に手を降ろすとぺろんと透明なビニールが捲れた。
ビニールに魔法陣が描かれた白いライン。
床は無事とアピールしたことで狐が元の位置に戻る。
悪魔、冷や汗を拭う。
この間、わずか4秒。
「ところでミミ殿」
「はひっ!」
悪魔の変なとことから声が出た。
「ウチの中で何を呼び出そうとちたので?」
そうよね、こんな朝から騒いで……。
「冷えたスイカを」
「スーパーに行ってこい!!」
あまりに簡単な物を仰々しく呼び出していたので思わず叫んでしまった。
「ニンゲンはわかってません!適温に冷えたスイカをウチにいながら食べられるのです!美味しいのです!」
そこの問題じゃないのよ!
わざわざスイカを食べるのにこんな大事やるなって言ってるの!
「ミミちゃん……。そのスイカは某も食べて良いのですか?」
狐ー!よだれを拭えい!
「もちろんですー!みんなで食べるために召喚したいのですー!」
「よろちい!呼びましょう!」
ほだされてるんじゃないよ!
「我は求め訴えたりー!」
再開するな、悪魔!
叫び始めるとすぐに魔法陣が光り始める。
ドンドン強くなる光、そして……!
「……ここはどこです?」
光が消えるとスイカを持ったモグラが居た。
みんなでスイカを食べ始める。
……釈然としないんだよなぁ……!




