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悪魔がウチにおりまして・665

ウチには悪魔がいる。

新聞を読んでいる悪魔が。


「アンタ、新聞なんか読むんだ?」

こういうのって仮に読むんだとしても電子版読んでそうなイメージがあった。

「仕方ないのですー。あっちでは未だに紙媒体しかないのですー」

あぁ、あっちのニュース見てたわけね。

「ニンゲンも読みますー?」

見せて良いのか、あっちのお知らせ。

「まず書かれてる文字読めないんだけど」

「あー、ニンゲンこっちの勉強してませんもんね」

悪意が無いのはわかるけど、なんかムカつくのは暑さのせいってことにする。

それはそれとしてスリッパを1つ乗せましょう。

「なんて書いてあるの?」

「その前になんでスリッパです?」

「ムカつくから」

悪魔の顔が何とも言えない、見下している表情になる。

「言いたいことは?」

「諦めました。えっとですねー」

なんか酷いこと言われた気がするけど、新聞に視線を落とす。

「基本的に日報ですね、こっちの世界で同種同士でのもめ事はどこかの生態系と違って起きないので」

……聞き捨てることにしよう。

「日報によると明日隕石が落ちるから気を付けるようにって書いてあるのですー」

規模が天災なのだけど!?

「そっちって隕石頻繁に落ちてくるの?」

「あまり?あーでも集中して降る時期はありますね」

隕石襲来を梅雨のノリで語らないで欲しい。

「どうするのよ、そんなボコボコ落ちて来てたら……」

「良いトレーニングになるのですー。隕石砕きは国際大会もあるのでー」

コイツら、時々脳筋だな。

「牛さん、確かメダル持ってたですよー」

牛、何気にすごかった。

「牛ー、ホントー?」

「参加賞みたいなものですよ」

「そんなわけないじゃないですかー、牛さんのレコード、未だに破られてないですよー」

え、この牛、世界記録持ってるの?

「たまたま振ってくる数が多かったんですよ。連鎖爆発させたら10コンボしてくれて」

パズルゲーム感覚で隕石を壊すんじゃないよ。

「牛、爆破なんてできたんだ?」

「昔、私は爆破のちゅーちゃんと言われていまして……」

子年だったのね、大会開催されたのは。


ウチには牛が居る。

「遠隔と接触爆破というものがありまして……」

クモとうぱが目を輝かせながら講義を受けていた。

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