悪魔がウチにおりまして・654
ウチにはハンバーガーがある。
えっと……ピラミッド?
「ニンゲン!食べちゃダメです!」
食べねーよ。しかも1個や2個食べたところで気付かないでしょ。
悪魔は口の周りをケチャップまみれにしながら、その山のように積まれたハンバーガーを食べている。
「悪魔、何してるの?」
「見てわかりませんか、ハンバーガーを食べてます!」
見ても、理由がわからないから聞いてるんでしょ。
「お腹壊すよー」
「すでに壊れてます、おかわり!」
自分で取りなさい。
こんな下らないことしていると玄関のチャイムが鳴った。
「どうもー、うーしーいーつですー」
牛だった、なんか変なイーツしてるけど?
「牛さーん!カギは開いてるですー!」
頼んだの、アンタかい。
「追加のハンバーガー36個、持ってきましたー。ねぇミミさん」
牛は入ってくると紙袋をテーブルの上に置く。
服装は、緑のラインに黒い服。
大きく「UE」と書かれている。芸が細かい。
「牛さん、ありがとですー」
「なんでこんな中途半端な数頼むんです?私、7回往復させられておこですよ」
嫌な客もいたものだ。
「毎回チップあげてるのに?」
「ミミさん、お金で解決できない問題もあります。例えばこの暑さとか。代わりにこの気温の中、自転車漕ぎます?」
結構本気の怒り方してるじゃないの。
「仕方ないですね、牛さんナゲット食べて良いですー」
「……ミミさん、会話能力どこ行きました?」
牛は呆れた様子でバーベキューソースを直接口に……しょっぱいでしょ、それ。
「塩分補給しないと。なぜかこことお店を7回も、7回も往復してるので」
「ニンゲン!牛さんを敬うです!」
「ミミさんですよ」
牛がツッコむの珍し。ツッコミっていうか、注意?
「悪魔、なんでこんなハンバーガー食べてるの?」
「ヤケ食いです!」
ヤケ起こしてる理由を聞いてるんだって。
「実はですね……」
「ミミさん、その前に代金とチップ」
牛が間に入ってくる。
「牛さん、ここ空気読むところです」
「チップ」
むしろアンタが空気読むところだって。牛、軽くキレてるって。
「まったく持ってけ、どろ……牛さん、降ろしてきて良いです?」
悪魔は財布を確認すると、牛に尋ねる。
「足りないので?」
「新札だったので、取っておきたくて……」
そんな理由!?




