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悪魔がウチにおりまして・62

ウチには悪魔がいる。

最近、ヤツが帰っていないと思ったら。


「た、ただいまですー…」

悪魔が畳を開けてヘロヘロと出てくる。

「アンタ、どうしたの?」

見れば毛並みは乱れ、どことなく痩せたようである。

「仕事が忙しく…羊さんは毛を散らしながら走り回っています…」

いつもはヤギと呼んでいるにも関わらず羊と言ってしまうあたり、疲れは本物だろう。

「ミミ殿、今日はゆるりと休みましょう?」

狐も心配そうに頭に木の葉を乗せて念じている。

クモも降りてきてはせっせとベッドマットに似たフカフカなシートを拵えている。

手厚い。

うぱはなぜか悪魔に砂糖を振っている。

それが見えるのは私だけなので放置。


しばらくすると、悪魔は寝息を立て始めた。

押入れではなく、部屋で寝るのは初めてだろう。

「こうして見てると本当にぬいぐるみみたいだよね」

すうすうと眠る姿は普段の小憎たらしい様子はまるでない。

「ミミ殿、他人の前で眠るのですね」

「どゆこと?」

むかちから他人の目があると眠れないと申ちていたので」

押し入れで寝るのは人目を気にしてだったのか。

それがちもミミ殿の寝顔は初めて見ます」

これだけ長い付き合いの狐にも見せたことのない寝顔を晒すなんてよほど…。

「よほど宿主やどぬち殿のことを信頼ちんらいなさっているのでしょう」

「え?疲れじゃないの?」

「ミミ殿はあちらにも家がありますから。わざわざここで寝るということは、帰る場所と思っているということでしょう」

なるほど、ね。


「寝てしまいました…。あれ?」

ボクが目を覚ますとなぜか皆が隣に居ました。

クモさんとごんちゃん、そしてニンゲン。

…。

皆さん寂しがりなんですね、困ったものです。

もう一度眠ることにしましょう。

なんだか甘い匂いがして、気持ちいいですから。

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