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悪魔がウチにおりまして・630

ウチには悪魔がいる。

ビールをあおっている悪魔が。


「ぷはぁ、この1杯のために生きてるですぅ!」

いい飲みっぷり、おつまみにしているのはホタテのアヒージョとポテトグラタン。

軽く1杯にしたら手が込んでいる気がする。コイツが本気を出すと侮れない。

「にしても、ビールに合わせるにしたらちょっと違くない?」

「何言ってるですか、ニンゲン!自分の食べたい物で美味しいお酒を飲む!コレが最高なんじゃないですか!」

わかるけども。

「ミミ殿、それがちの分も残ちておいてくださいね」

狐がアツアツのホッケを持ってテーブルに。

だから食べ合わせって。

「ニンゲンもどうです?日本酒、ビール、ワイン。全部あるですー」

軽く毛が赤くなりだした悪魔が手招きをする。

……そんな仕様でしたっけ?

「ニンゲン殿、こうなったミミ殿は聞かん坊です。100年に1度の酔っぱらい期です」

迷惑極まりないのは気のせいですか?

「まぁ、良いじゃないですか。ミミさん、ワインが切れました、持ってきてください」

「あいー」

パシる牛、応える悪魔。確かに機嫌がいいぞ?

「こうなったミミさんはどうせ潰れるまで飲むんです。だったらお互い気持ちよくやりましょ」

慣れてるなぁ、何度目だ?

「ニンゲンー、飲んでるですぅ?」

あーウザったい絡みかたしてくるなぁ、コイツ。

「じゃ、ビール」

1番アルコール度数低いからね。

「ニンゲンさん!諦めましょう!ミミ君、アヒージョお替わり!」

「テメーでやれですー」

羊は断るのかい。

「良いですか!ボクが丹精込めて作ったアヒージョが食べたいなら自分で働くです!捧げて食すです!」

「悪魔、グラタン追加」

「あいー」

ホントにアヒージョだけ取らせるのか。

「100年に1回このテンションなのかぁ」

「でも、楽ちいですよ。ミミ殿のおつまみ、美味ちいですし」

狐がグラタンをふぅふぅして食べている。

「ニンゲン!飲んでるですー!?」

さっきよりうぜー。

「はいはい、飲んでるよ」

「ニンゲンはいつも偉いですー。ニンゲンがいるからこっちが楽しいですー」

は?気持ち悪いっ!?


「ちなみに、酔いどれモードは本音ちか言いません」

逆に気持ち悪いよ、今の悪魔!

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