表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
637/1160

悪魔がウチにおりまして・626

ウチには悪魔がいる。

雅さを捨てた悪魔が。


「ニンゲン!クモちゃんに負けて悔しいのです!」

昨日の俳句のこと?もはや勝負になってなかったでしょ。

「というわけで担当を呼びました」

気楽に呼ぶな、災厄を。

「アナタも仕事があるでしょう。会社にお帰り、ここから先は罪ある者しかいられません」

「けむの飼い主さん、それ暗に自分も罪人って認めてません?」

余計なことに気付くんじゃありません。どうせ私もこの悪魔と共に堕ちてます。

「というわけで!担当、文才ってどうやって育てますか!」

「才能」

悪魔泣いてるじゃない、やめたげなー。

「この季節に焼き芋3個で呼び出してそんなくだらないこと聞きたかったんですか?キレますよ?」

謝って!担当さんに謝って!

「えー、でも担当。この前スイートポテト欲しがってたじゃないですかー」

「手間と温度を考えなさい、ファッキン毛むくじゃら」

さらっと暴言吐いた!?

「そりゃそうでしょー。この季節にチゲ鍋出されるようなものですよ?」

好きな人はいるけどね、暑い時に辛いの。

「こんにちはっ!さようならっ!」

顔を出した羊の撤退は早かった。しかしそれよりも担当の投げ縄が早かった。……投げ縄!?

「なぜ私がこのような目に!?」

「ゴメン、ホルモン。つい反射」

モツ扱いするな、生きてるんだから。

「そうだ、仮にもアナタ職業作家でしょ?文字を書く上での注意とか、けむに教えてあげたらどうです?」

「それをするならまず縄を解いてくれません?」

諦めたように羊がため息を吐く。

するりと解ける縄。この担当、なんか特殊スキル多くない?

「そうは言っても私は感性で書いているので参考にならないかと」

「私が上手に手綱を……」

「アナタがしているのは締め付けです」

担当の手から飛ぶ投げ縄。躱す羊、捕まる牛。牛!?

「タイミング、悪過ぎません?」

「アレ、牛タンさまー。なんかお久しぶりですー」

「この流れだと絞められそうなのでちゃんと呼んでくれません?」

あれ?なんか距離感正常になってない?

「担当さん、牛いるのに暴走しないわね」

「ほら、私が好きなのは食材としての牛ですので、ミノさまは食べられないじゃないですか」

その境地、若干怖くない?

「私としてみたら、付きまといが無くなって助かってます。ほどいて」


ウチではお勉強会が開かれている。

「ほどいて」

縛ったまま放置されてる牛はどうしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ