悪魔がウチにおりまして・612
ウチには悪魔がいる。
スーツケースを振り回している悪魔が。
危ない。
「ニンゲン!沖縄に行きたいのです!」
さっきからケースを振り回している理由はそれか。
「行って来たじゃない、今日まで」
「ニンゲン!メタいのです!確かに作者は行ってました。だがおかし!ボクは!行ったことありません!」
へぇ、悪魔行ったこと無いのは意外。
「それに!今日は6月10日!まだ作者も行ってません!思い知ったか!」
アンタもメタ発言するな。
「……ストック、作るの、大変でした……バグるんです、脳内……」
はーい、次元の壁を越えて愚痴ってくるんじゃないよー。
「ニンゲン、今聞こえた声は?」
「私たちが聞いちゃいけない声。沖縄って何しに行きたいの?」
「海!です!」
悪魔は目を輝かせる。
「陸の周りすべて海なのでしょう!1周泳ぐのにどれくらいかかりますかねぇ!」
……500キロくらいあるんだけど、コイツなら泳げるか。
「海にあるモノは取り放題なのでしょう?ウミヘビ、高く売れると聞きます!」
堂々と密漁宣言するなー。
「ミミ殿、沖縄に行くのですか?」
寝間着姿の狐が目を擦りながら部屋から出てきた。
「ごんちゃんも行きますか?ぶっ飛びますか!?」
なんでこんなテンション高いんだ?
「某、飛行機苦手です。行くならお土産にパイナップルが欲ちくて」
「良いですよ!何個欲しいですか!?」
本当にテンションと気前が大盤振る舞いしてるじゃない。
「……ひとつで大丈夫です。ちかしミミ殿、なぜそんなに沖縄に行きたいのですか?」
それ、私も気になってた。
「実は……ボク、スパムを食べたこと無くて。どうせ食べるなら本場で食べたいじゃないですか」
沖縄が本場なのか、全く関係ない気がしますけども。
「それはわかります。コンビーフならいざ知らず、スパムは貴重な物。ぜひ味わってきてください」
私の価値観がおかしいのか?
「ニンゲン!それでは行ってきます!」
「あいー」
最近悪魔の返事が移ったかな?
「物語的には明日帰って来ます!サラバなのですー!」
最後までメタ発言で行くなよ。
ウチから悪魔が出る。
というか、無事に帰ってくるのだろうか?
「明日更新が無かったらそういうことです」
作者、怖いこと言うな。




