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悪魔がウチにおりまして・59

ウチには悪魔たちがいる。

小さい子たちはすっかり縮んでしまうレベルの、悪魔が。


「あの、良いですか?」

我ながら空気が読めないと思いながらおずおず手を上げる。

「お仕事のお叱りなら会社でやってくれませんか?ウチの子ビビってるので」

部屋の隅で震える狐。

そして泡を噴いてひっくり返っているクモ。

無関係の私たちの食事を邪魔していいレベルではない。

「ニンゲン!無礼ですよ、この方は…」

「良い、控えろ。確かに同胞の不始末をわざわざ部外者に知らしめる必要もない」

「良かった。上の人の方が話が分かるって本当ですね」

胸を撫で下ろしながら息を吐く。

「だがお前何者だ?なぜ私が見えるのだ?」

「ごめん、それ分からない上に、2回目」

前天使に聞かれた言葉に思わず反射的に応えてしまう。

「めんどい」と言わなかった私を誉めて欲しい。

まぁ、空気がさっきより冷たくなっているんで誉めてくれなそうですけど。

「お前、名は?」

「人の名前を聞くならまず自分から、コレが人間のマナーですけど?」

羊、卒倒した。

私、悪くないもん。

「あぁ、すまんな。ただ私の名は軽々しく名乗れんのだ。許せ」

さらりと謝って来てくれました。

「こちらこそ。でも名前を教えてくれないならこちらも内緒ってことも許してくれます?」

「かまわんよ。なるほど、確かにこの報告に虚偽はなさそうだ」

持っていた羊皮紙をぺんっとたたくと懐にしまう。一瞬宙を漂ううぱに目を留めた気がする。

うぱ、嬉しそうに手を振ってる。見えてるな、これは。

「で、ではお咎めは!」

「現地人に捕縛対象を殲滅された始末書は出すように」

羊覚醒、そして即落ち。

徐々にコメディ能力高くなってない?

「ヤギさん、大変ですねー」

「何を言っている?貴様も同罪、始末書の提出に決まっているだろう?」

悪魔、羊の脇でうなだれる。

始末書=減俸とかなのかな?

「騒がせた。今度機会があればこちらに招待しよう。では」

実に紳士的に消えていくお兄さん。

今まで会った悪魔たちの中で一番印象がいい。

「まともな悪魔も居るのね」

感覚がズレている?

ズレなきゃ日常送れません。


ウチには卒倒者がいる。

というか、目が覚めてるの私だけ…クモ、おはよ。

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