表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
605/1160

悪魔がウチにおりまして・594

ウチには悪魔がいる。

目隠しをして椅子に座っている悪魔が。


目の前に並ぶ5つのグラス。

中に入るは琥珀の液体。

腕を組んでいる牛。

……前、同じような光景、見たな。

確か以前は利きチョコしてたけど。

「牛、今回は何?」

「ニンゲン!ウヰスキーですー!」

悪魔、今どうやって発音した!?

「今回はミミさんからのお頼みです。ウイスキーの中にしょうゆを混ぜて、どれに入っているか当てるのです」

その意味は!?

「ほら、最近舌がバカになってる気がしまして。良いウイスキーが手に入ったので鍛えようかと」

職人に謝れ!ウイスキーとお醤油作ってくれた人たちに謝れ!

「今回どちらももったいないので1滴だけ垂らしました。もし気付かなければ美味しく飲める量になってます」

さすがバーの店長、お酒を無駄にしない心意気。

それなら元々やらないでいただきたい。

ちなみに悪魔は既に酔ってます。

「ねぇ、コレ何回目?」

「4回やって、当てたの0です」

ただ飲みたいだけになってない?

「この目隠しをしたままおつまみのメーカー当てるのは10回中11回です」

1回増えてるのなんで?

「それはですねー。秘密ですぅ」

上機嫌の毛むくじゃら、ダル絡みしてこないから許しましょう。

「ちなみに製造年月日を当てて2ポイントです」

その舌を以ってバカになったと?

「ある時期を境に材料が変わりましてー。牛さん、コレにしょうゆ入ってますー!」

「はーい、もう1回でーす」

このやり取り、10回やってるのか。

「悪魔ってこんなにお酒弱かったっけ?」

最近飲まないけど、ウチに来たときは結構ビール飲んでたはずなのに。

「なんかー、ウイスキーは回るのですー」

アルコール度数、ビールに比べたら高いからなぁ。

「たぶんコレだけですね。ほら、蒸留した水を使って仕込むって書いてあるでしょ。要は聖水じゃないですか」

ねぇ、それ祓われてるのでは?

「大丈夫です、聖水でどうこうなるほど私もミミさんも弱くないので。ただ、明日面倒だと思いますよ」

牛が悪魔を薄い目で眺めながらため息を吐いた。


次の日、言葉が正しいことがわかる。

「ニンゲン……頭割れそうです」

「迎え酒入れる?」

二日酔いでぶっ倒れている悪魔が。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ