悪魔がウチにおりまして・589
ウチには悪魔がいる。
警戒心の全くない悪魔が。
「ニンゲン!近くで遺跡が見つかったそうです!」
ほう、作者は地理を考えるつもりはないのか。
「ニンゲン、なにかこう、考えてはいけないことを考えてませんか?」
「そんなことないわよー」
コレを書いているのが、作者ですし?
「……ニンゲン!遺跡に」
「行きません」
何か言いたげから一気に口を開きっぱなしになる悪魔。
「行きません。探検なんか」
念押しでもう1度でございます。
「ふ、ふんっ!ニンゲンが行かなくてもボクひとりで行くですー!」
駆け出し、玄関から飛び出す悪魔。
玄関から舞い戻る悪魔。
「ニンゲンー、呪われたですー……」
ウソでしょ!?この短い間に?
「誰に診せればいい?」
呪われたなら仕方ない、さっさと祓ってもらいなさい。
「えっとー、わからないので羊さん呼びましょう」
悪魔はスマホを取り出すとその場で放り投げる。
飛んでいくスマホ、壁にぶつかる寸前にクモが網を作ってキャッチする。
クモ!えらい!
「何してんのよ」
「コレが、呪い……?」
悪魔がエアコンのリモコンを取ろうとすると豪快に放り投げる。
「さっきから危ない!」
悪魔は自分の手を震わせながらゆっくりこちらを見てくる。
「ニンゲン……この呪いは……大変です。電化製品に触れない呪いなのです!」
どーん!
悪魔が口で効果音を付けた。
「……放置で良くない?」
要するに困るの悪魔だけでしょ?
「ぬわぁに言ってるですか、ニンゲン!ボクがスマホ触れなかったらどうですか!30万が泡に帰すのですよ!」
それも困るのはアンタだけなんだよなぁ。
「えーっと、呪いの解呪……おや、ここは?……ミミ君……」
玄関から羊が分厚い本を抱えて入ってくる。
「ひっつじすわぁん!呪いを!呪いを解いてほしいです!」
「……請求、ミミさんにしていいですか?こんな面倒な出動させられたの、1,000%不注意じゃないですか」
羊はまた角に怒りシールを貼り付ける。
「ち、ちなみにおいくら万円……」
「そうですね、15万ください。割引価格です」
「み”ぃぃぃぃ!?」
ウチには悪魔がいる。
花占いで解呪を決めている悪魔が。




