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悪魔がウチにおりまして・56

ウチには悪魔がいる。

いきなり座学の時間です。


「というわけで本来ニンゲンはこちらに対して攻撃を加えてもダメージを与えられません。でも今回こんなにケガをさせられているので何かしらの力が加わっているということですね」

羊が頭にホータイを巻きながら黒板を叩いている。

どこから持ってきた?

「センセー、触れることと攻撃は違うのですか?」

狐が手を挙げて羊に質問する。

「良い質問ですね。触れることは別段構わないのですが、攻撃となると話は別。単純に威力の問題ですね。たがだか人間のパンチでケガをしていたら私たちは仕事ができないのです」

なるほどーという雰囲気と共にメモを取る狐。

なぜクモも頷くか。

「それってこのうぱと関係あるの?」

「そんなものは居ません、見えません」

見猿の真似をして目を塞いでいやいやと首を振る。

まったく可愛いわけもない。

「関係なかろう。この者の付与があった場合、悪魔など消し飛んでいてもおかしくない」

ウソでしょ!?

てか天使、見えるの!?

またクモがカタカタ震えだしたからやめてあげなさい。

「つまり今回人の仔に力添えしているのはそれなりの権能を持っている阿呆ということだ」

「ねぇ、ヤンキー。私に力貸してるのに阿呆って?」

リアクション、無し。

微妙な間。

「…私か。人の仔の無礼もつかれているせいとして多めに見てやる」

「さっきから疲れてるって言いますけどね、そんなに疲れてなんか…」

「憑かれているんですよ、ニンゲン」

先ほどから伸びていた悪魔がむくりと起き上がり首を揺らしている。

何て言いました?

「自覚無し、か。当然だろう、そうするのも含めてだからな」

やれやれと言った様子で肩をつく天使。

「憑かれる…幽霊的な?」

「それだとしたら力の付与などできません。幽霊はヒトの延長ですから」

そう言いながら羊が思いっきりチョークを投げてくる。

すると私の眼前でぴたりと止まり、粉々に砕け散った。

「ね?これを幽霊の仕業と思いますか?」

「…守ってくれるならそれでもいいんじゃない?」

恐る恐る羊に尋ねるとゆっくり首を振る。

「それは護りではなく束縛です。今に害が出ます」

「幸い道があからさまに残っているからな、辿って元を断つ。人の仔、ここで…」

「私も潰しに行くに決まってるでしょ?」

「…ニンゲンに憑いたの、明らかに人選ミスでしょうね」


ウチにはみんなが集合している。

納得されているのが、とても納得できませんけど?

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