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悪魔がウチにおりまして・54

ウチの空気は2分割されている。

目に見えない住人のおかげで。


「狐ちゃんはうぱ気にならないの?」

アイスが固くてスプーンが刺さらず苦戦している狐に尋ねる。

「それはどういう意味ですか?」

クモはあれだけ警戒して、羊も忠告してきた。

悪魔はちょっとわからないけど、狐としても目に見えない存在がどう感じているのかは気になるところだ。

それがちはうぱ殿が見えるようになることが修行と言われまちた。かか様が修行と言うのですからそれがちは努力する次第ちだいです」

そっか、あの白狐から言われている信頼があればこその安定なのか。

ぐりぐりとスプーンを押し付けながら狐はむくれている。

「そもそもそれがち、未熟の身。己に出来ぬことに畏れていては、成長などできません」

考え方、立派だなー。

今アイスを食べることを諦めて、少し放置を決め込むようで流し台に跳ね上がると、やかんに水を注ぎ火にかける。

「ちかし、クモ殿が心配ちんぱいする気持ちわかります。かか様の言葉が無ければそれがちもここから出ているくらいには怖いです」

「そうなの?」

怯える様子がまるでなかったので気付きもしなかった。

宿主やどぬち殿が特別なのです。それがちを含めかの者たちの同居など聞いたことがありません」

急須に茶葉を入れながら、アイスをつつく。

「どうでもいいことだけど、狐ちゃんそんなキャラだったっけ?」

「そろそろ500歳を迎えます。それなりに考えて生きていませんと」

めっちゃ年上だった。


「粗茶ですが」

狐から湯飲みを渡されて受け取る。

茶葉も水も、何ならアイスまで狐が確保してきているので正しい「粗茶」である。

信じられないくらいに美味しいけどね?

「狐ちゃん、これどこで買ってきたの?」

宿主やどぬち殿では買えない物かと。里帰りちた時に土産物屋で仕入ちいれたものですので」

ず…っとひと口啜った瞬間にすぐ息を吹きかけているあたり、猫舌らしい。

とうとう私はあちらの世界の物を食す身体になってしまったか。


先ほどからうぱが熱心にアイスをつついているのだが、とりあえず放置している。

そういえばこの子は何も食べていないけどお腹は空かないのだろうか。

食事をしているときよく周りを飛んでいるから食事が好きそうではあるのだが。


ウチには謎の生物ばかりが居る。

おそらく全員がすごく年上の子どもたちが。

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