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悪魔がウチにおりまして・557

ウチには羊がいる。

白袴を履いている羊が。


なんなら部屋の真ん中でドーンと居座っている。

流行ってるの?ウチの真ん中に陣取るの。

「先立つ不孝をお許しください……」

許さないよ!?

なんで人の家で切腹準備してるん!?

「止めないでください……。この不始末は我が命でしか……」

まぁ、止めてないんですけどね。

「で、理由を話しなさい」

「わかりました……その前にこの服返してきて良いですか?レンタルの時間迫ってるんで」

別に死んでほしいわけじゃないけど、ポーズだとイラっと来るわぁ。

羊が衣装を返してくる間に悪魔が帰ってきた。

軽く説明すると面白そうとわくわくしている。

本当にこいつらの関係性壊れないのはなんでなんだろうか。

「お待たせしました。アレ、ミミ君?」

「ほら、羊さん。さっさと蜜の味を話すですー」

「しばいて良いですか?」

羊のこめかみにわかりやすい怒りマークが……段ボール製だと?

「とりあえずそのお芝居の理由なに?付き合わなきゃダメ?」

たぶん私のこめかみには作り物で無い青筋が立っている自覚がある。

「実はですね……原稿を落としまして」

脳裏によぎるは、担当の笑み。

その手には鎖とムチがある。

悪魔は青ざめて震えている。

「……羊、それを担当には」

「言いました。今日ウチに来るそうです」

その前に自決しようとするな!しかもウチで!

「羊さん、逃亡資金はありますか?30円なら貸せるです」

悪魔、それはバカにしているわよ。

「逃げても……その分だけ苦しむくらいなら、いっそ……」

涙をこぼしながらうつむく羊。

大げさに思えるかも知れないけど、過去プチ監禁してるからあながち杞憂ではない。

「いっそどうしたんです?」

シレっと居やがる!?

「た、たたた!担当さん!この度はお日柄もよく!」

羊、天井に張り着くな。せめて物理は守れ。

「担当!羊さんは疲れてたです!猶予を!最後のお情けを!」

悪魔は担当の膝に縋りつく。

こいつ羊の小説のファンだからなぁ。

しかし担当は首を傾げる。

「……なんのことです?あー、原稿?」

「怒ってないのですか?」

羊が目を丸くして天井から降りてくる。

だからどうやってヒヅメで壁を這ってるのよ。

「どうせあと5話ストックありますし」

……この鬼人、追い詰めてストック作らせてたってこと!?


ウチには担当がいる。

「それはそれとして土下座」

たぶん、私の知り合いで1番鬼畜な担当が。

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