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悪魔がウチにおりまして・552

なんでこんなことしてるんすかねぇ。

あ、どうも。ザリガニです。


「ザリ殿。今月の売り上げすばらちいですね。いつもありがとうございます」

オーナーのごんさんがPCを見ながら誉めてくれる。

そうは言ってもバーとしての売り上げって言うより完全に定食屋ですけどね。

「ミミさんのうどん、評判良いっすよ。やっぱり定食屋にしたほうが」

「それなのですが。許可の兼ね合いで申請ちんせいち直すのなかなか大変ですから」

そんな理由っすか!?

「お酒も置いてあります。今後お酒に合うおつまみを開発ちていきましょう」

「は、はぁ」

ここまでうどんメインの店で酒に合うつまみ?

「それでは期待ちてますね」

そんなこと言いながら帰って行くごんさん。

まぁいいんすけど。

「帰りました?」

「牛さん、なんで隠れてたんすか?」

ごんさんが来たら店の奥に引っ込みやがって。おっと、いけない。

「いやー。私この店掃除しかしてませんし?だったらザリさんが話したほうがスムーズかなって」

「そうは言ってもアンタ店長でしょうに」

「実質ザリさんが仕切ってますし?私、バイトさんたちと面識もありませんから」

これだけ聞くと大問題なんですけどねー。

「で、できそうです?お酒に合うつまみ」

さっき言われてすぐできるわきゃないじゃないですかー。

「バイト君に相談しますよ。作るの結局彼らですし」

できれば手間かからない物が良いですからねぃ。

「ですね。こっちの食材使えないのが残念ですが」

「……ミミさんのうどん、たぶんこっち産じゃないっすよ?」

牛さん、フリーズ。

「たまにうどん喋るんで」

「はい?」

牛さんの目ってこんなに目が大きくなるって初めて知りましたわ。

「ボクしかいないときだったんで捨てましたけど」

そのまま歩いて逃げた気もしないでもないですけどね。

「どうやったら食べ物しゃべったり歩いたりするんですか」

「ボクに聞かれても」

逆にそんなもん食ってて体壊さないか不安になるんですけど、美味いんですよね、あのうどん。

「今のところクレームないんですよね?」

「ですねー。仮になんかあってもうどんが原因と思わないと思いますが」

「まぁ、なら良いか」

良いんすかねー。


「それじゃ、美味しいおつまみ期待してますね」

「へいへい、こっそり来店しないでくださいね」

たまに来てるの、知ってるんですから。

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