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悪魔がウチにおりあして・550

ウチには悪魔がいる。

「ニンゲン!巨大ロボが欲しいのです!」


「ほら、コモンずー。コンペイトウは3日前にあげたでしょー」

「清々しいまでの無視ですか!?そして3日ご飯無しは虐待です!」

うるさいわねー。

この子たちは勝手にエサ取りに行ってるから良いの。

「ロボって言ってもねぇ。アンタが作ったメカはどうしたのよ」

コイツ確か悪魔そっくりなメカクマをこしらえていたじゃない。

「メカちゃんは今お仕事してるそうです。ほら」

悪魔はスマホをかざすと映っていたのはメカクマからと思われるメッセージ。

『ボクは同窓会には行けないです。今、バミュータ海域にいるのです。行方不明になった船を探す大事な仕事をしているのです。アレ、でも待って?ボク、サビません?沈みません?断れません!?もし3日連絡が無ければボクは海のしじまに消えたと思って欲しいのです』

この文を送られた相手の気持ち考えたのだろうか。

「ちなみに10日前です。沈んでると思ってます」

薄情だな、この創造主。

「なのでこの心に空いた穴を埋めるために巨大ロボを!できれば変形合体できる超合金を!」

アンタの毛が生えた心臓に穴なんか空くわけないだろうに。

「ほう、ミミさん。”蝶GO禁”が欲しいのですか?」

独特のイントネーションで牛が現れる。

「うーしさーん!いえ、超合金が無いのは知ってるので」

悪魔!謝って!牛に謝って!

ところで牛、その角垂れてるけど、どういう仕組み?

「私、帰ります。酒呑と夢について語ってきます」

行くな行くな!あれ、そこ知り合いだっけ?覚えてる人、いる?

「牛さん、ごめんなさいー!あります!超合金はあります!」

「良いんです。この年になって未だに変形合体とか友情パワーとか信じてる私が悪いんです」

牛も!いろんなところに延焼させるな!

「ところで牛さんはリアル派ですか?スーパー派ですか?」

「愚問ですねぇ。もちろんスーパーに決まってるでしょう」

この2匹正気に戻るのが早すぎる!

いや、この場合狂気に囚われると言ったほうがいいのか?

「1対1ですか……。コレはニンゲンの好みがすべてを決めるのです……」

「委ねましょう、静かに……」

2匹はゆったりと顔の前で手を組んでこっちを見てくる。

『さぁ、リアルとスーパー、どっち!?』

圧をかけてくる2匹。

私の答えは……。

「リアルとかスーパーとか、なに?」

『はぁ!?』

だって知らないもの。


「あ、メカクマからメールです」

どうやら無事だったようだ。

スフィンクスと一緒に写真を撮ってるメカクマが。

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