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悪魔がウチにおりまして・548

ウチには悪魔がいる。

「ニンゲン!魔法少女になりたいのです!」


「今、コモンずにビスケットあげるのに忙しいからあとでね」

「扱いひどくないです!?」

仕方ないでしょー、両手あげて欲しがってるんだから。

それはそうとてクモ、増えすぎなのでお説教です。

「その子たちは自分でご飯取れます!ボクの願いを叶えるです!」

悪魔がこんな風に燃えているときはなんかアニメかマンガの影響でしょー。

「で、何を見たの?」

「魔法少女が魔女になるんですけど」

古っ!?しかも、それなっちゃいけないヤツ。

「希望なんてない!って言いながら弓を投げるのは涙無くては見られないシーンでした」

私の知ってるのと違う気がする。

セリフ逆だし、弓投げちゃいけないし。

「クエスチョン・ワン」

「シュア」

私の問いに悪魔は背筋を伸ばして正座。

「魔法少女になって何を叶えたいですか」

「チョコレートたくさん食べたいです」

この前ケーキを70個食べたヤツの台詞とは思えない。

「クエスチョン・トゥー」

「イエア」

両手バンザイ。

「魔法少女になるために何を捧げますか」

「ニンゲン、なると言えば魔法少女になれるのですよ?」

首を傾げる毛むくじゃら。

どうやら弓と共に途中のストーリーも投げ捨てたようである。

「ラスト・クエスチョン」

「かもーん!」

コイツ完全になれると思ってるな。

「魔法がこの世に無いんですが」

「ニンゲン!それは質問じゃありません!」

そこじゃないよ。しかも泣くな。

「ニンゲンっていつもそうですよね!不思議の世界のことを受け入れてくれないんです!」

アンタを受け入れている以上の不思議認定はないんだが?

「お話、伺いました……」

「その声は!牛さん!」

私の後ろに立っていた牛は額に赤い宝石を付けてなぜか全身を白く塗っていた。

「……怒られるよ?」

「大丈夫です、こんな木っ端なオマージュ気付きませんて」

やめて差し上げろ、キーボードが歪んでいるでしょうが。

「それよりも牛さん!ボクを魔法少女にしてくれるんですか!?」

諦めろ、悪魔。コイツは騙す気でしょ。

「ええ、この契約書にサインをしてくれれば……」

絶対ダメなヤツー。


「こ、コレにサインをすれば……」

「悪魔、ページ的に間に合わないわ」

「そんなオチあります!?」

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