表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
553/1160

悪魔がウチにおりまして・542

ウチには悪魔がいる。

パソコンを前に頭を抱えている悪魔が。


「ニンゲン、えらいこっちゃです」

その表現、いつの時代のものよ。

「明日ケーキが100個来ます」

うん、えらいこっちゃですね!?

「ピース?」

「ホールです」

「正座、説明」

ウチの冷蔵庫、業務用じゃないんだから。

「えーっと……ケーキ、10個買おうとしました」

「それでも多いけどね」

「桁を間違えました」

何の擁護もしようがない清々しい誤発注だった。

「よくそんだけ買えるお金あったわね」

「実は悪魔界でニンゲン貨幣の大暴落が起きてます、ニンゲン安です」

ニンゲンを単位に使うんじゃありません。

「支払いはできるの?」

「前借りすればなんとか」

悪魔はうつむいて指折り数えている。結構ギリギリだったっぽい。

「ケーキのために前借りってキツイわね」

「ニンゲン、援助を」

「しません」

ここで甘やかすわけになりません。

悪魔、見事なまでに床に突っ伏してるけど譲ってはいけません。

「あれ、ミミ君どうしました?四つ脚の魅力に目覚めたのですか?」

二足歩行の羊が言っても説得力無いのよ。

「コイツ、間違えてケーキ100個買ったんだって」

悪魔は凹んでいて口も開かないので代わりに羊に告げると目を丸くしている。

「……ミミ君、そんなに食べれるんですか?」

問題はそこじゃない。

「食べるのは、できると思うのですが……」

食べれるの!?ケーキ100個を!?

「問題はお金、と。私も少し出しましょう。ミミ君、全部でいくらです?」

羊は財布を取り出して中身を確認している。こういうところ、羊って大人よね。

「45万です……」

「……3個くらい買いましょう」

前言撤回、と思ったけど100個だとそれくらいするのか。

「どんな豪華なの買ったのよ」

「ニンゲン、今はケーキ高いのです。普通のショートケーキです」

ひとつ4,500円、まぁそんなものなのか。

そう考えると羊も3つ買うと1万を越えるのか。

「ニンゲン……しばらくお家賃入れなくても良いですか……?」

「……今回だけだからね」


ウチには悪魔がいる。

方々に電話をかけている悪魔が。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ