表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
531/1159

悪魔がウチにおりまして・520

ウチには悪魔がいる。

カイコを座椅子にしている悪魔が。


こいつ、怖いものなしなのか。

昨日あれだけイモ虫を……あれ?考えたら触覚で叩いていただけだからそんなに変なことしてないかも?

「ニンゲンー……この子はダメです、アカンです。生き物をダメにするもふもふ加減です……」

言うけど、虫よ?

カイコってそんなに毛あったっけ?

しかし悪魔はゆったりと腰を掛けてだらだらーっとくつろいでいる。

当のカイコ、無表情である。

「モス、嫌じゃない?」

一応声をかけてみるが、複眼の目から感情を読み取るっていうことは無理でしょうよ。

「大丈夫ですー……モスちゃんは嫌なら蹴り飛ばすですー……」

……私が寝た後ドタバタしてたのってモスに蹴り飛ばされてたの?

「悪魔、この子と話せるの?」

とにかくこの子は反応が薄い。

正直、どうしたら接したらいいのかわからない。

こっちの言葉を理解しているのかすら、何も。

「話せるわけないじゃないですかー……何度も痛い目にあって、塩梅を探ったのですー……」

顔が、溶けてる。

その努力、どこか間違ってない?

「モス殿は諦めたのです。昨日まで壁に張り付いていたのにミミ殿が呼んだら嫌そうに降りてくる次第ちだいでちて」

狐がマグカップを傾けながら目を細める。

「ごんちゃんは、ダメですー……昨日散々ボクの事バカに……あいたっ!」

狐にイジワルを言った瞬間、モスは悪魔を蹴り飛ばした。

「モスちゃん!ボクとの蜜月は遊びだったですか!」

誤解を生みそうなことを言うんじゃない。

悪魔の言葉を無視して、そのまま壁に戻っていく。

「……どうやら、飽きたようですね、モス殿」

飽きたからって蹴飛ばす!?

「アンタ、そんな危ない座椅子に座ってたの?」

生きてるのを座椅子扱いしたら怒りそうだけど、飛んできたらホウキを取りに行けばいい……勝てる気はしないけど。

「それでも!守りたいもふもふがあるのです!」

お前のじゃないよー、生きてるよー。

「言っても聞かないのです。よほど気に入ったのでしょう」

狐、ふぅとため息。

耳がぴくぴく動いてるから自分も座りたいんだろうねぇ。

「モス、蹴るの禁止。危ない」

言葉に反応してじっとこっちを見る。

心なしか触覚が垂れている。……しょんぼりしてる?

「避けていいから」

ぴこんっと触覚が跳ねた。やっぱり嫌だったんだろうなぁ。


ウチにはモスがいる。

「モスちゃん、かむばーっく!」

あー、気にしなくていいよー?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ