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悪魔がウチにおりまして・511

ウチには悪魔がいる。

ご飯の最中に箸を止めた悪魔が。


「ニンゲン、生きるとは何でしょう」

「ご飯要らないなら分けてあげなさい」

悪魔がまだ手を付けてないハンバーグの皿をクモの前にズラす。

「ニンゲン、生きるとは何でしょう」

ズラした皿を戻しながら再び聞いてくる。

悪魔がこうなったときは面倒なのが確定なんだよなぁ。

「ミミ君!なぜそのような問題を私に聞かないのですか!」

羊がクローゼットから飛び出してきた。

「羊、ハンバーグは無いわよ」

「ニンゲン、生き以下略です」

悪魔!?さすがにその扱いは可哀そうよ!?

「大丈夫です、最近妻の料理の腕は落ち着きました。ハンバーグはまた今度に……絶対、作って、くださいね……」

やっぱり駄目なんじゃん、神ちゃん。

「羊さん、邪魔しないで欲しいです!ボクはなぜ生きているのか、真剣に悩んでいるのです!」

悪魔さん、お口デミソース付けながらだと説得力無いぞー。

「ミミ君、その悩みこそ生きているということなのですよ」

「ニンゲン、今日のお肉美味しいです」

聞いてやれー、今日は羊に対して酷いぞー。

「ニンゲンさん、私にコーヒーくれませんか、少し悲しくなりましたので」

「自分で煎れなさい」

私もご飯食べてるんだっての。

泣きながら羊がキッチンに向かっていく。私は悪くない。

「悪魔、その悩みって今考える必要ある?ご飯美味しくないでしょ」

「大丈夫ですー。ボクは考えるの1割、食べるの9割で頭を使ってます」

なら考えるのやめなー?無意味だからー。

「ごちそうさまでちた」

黙って食べていた狐はご飯を食べ終わって食器をキッチンに持って行く。

「狐ちゃん、そういうの教えるの得意そうなのに」

騒いでいる悪魔が狐に聞かないのは不思議に見ていると、狐がため息を吐く。

「ミミ殿、300年に1回くらい同じ悩みを抱えるので。もう自分で目覚めてもらおうかと」

要するに放置ですか?

「クモちゃん、生きるとは何ですか」

こらこら、クモにそういう話を……あれ?

聞かれたクモは目を輝かせて巻物を取り出した。

「これは何ですー?……ふむふむ、ふむ……え!?なんですって!?」

「え、どうしたの?」

「……ボクは、今までなんということを……クモちゃん!ボクを弟子に!」


ウチには悪魔がいる。

「そこを何とか!」

結局は断られ続けた悪魔が。

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