悪魔がウチにおりまして・510
「この世界には目には見えない不思議な生き物がいます」
あんた、見えてるじゃない。
「ニンゲン、うるさいです」
「と、いうわけで!今回は魔族大戦争ですー!」
そこでいえーいとかならんのよ。
「ニンゲン、ノリが悪いですねぇ!こういう企画ものの時は何をしてもギャグ補正で何もなかったことになるのですよ!」
「てい」
悪魔の言葉に乗っかり、そこに落ちてた光線ソードで悪魔を斬ってみる。
「みぎゃー!?何するです!?」
「ホントだ、生きてる」
ぷすぷすと黒い煙を上げながら悪魔は叫んでいる。
「ボクで試すんじゃないですー!」
「だってギャグって言ったじゃない」
「左様……この世界はすべてお笑い草……そのため何が起きるかわからないのです!」
「その声は、ごんちゃん!」
高い崖からぴょんっと飛び降りた狐。
額にはキョンシーよろしく「反省中」と書かれたお札っぽいもの。
「あの、これ剥がちてくれません?恰好悪いので」
「今回はダメです。羊さん、まだ寝込んでます」
そこはギャグ世界じゃないのか。
「きゅーん……来たな、悪魔・ミミとその従者!」
「誰が従者だ」
スリッパで狐の頭をはたくとまた鳴いている。
「きゅーん……さすが、邪なる者。某を倒すとは」
「なんでボクはびびびでごんちゃんはスリッパですか!?」
うるさいわねー。日ごろの行いでしょ。
「もうここを守る術はありません。進むが良いでしょう、がく!」
狐は仰々しく天を仰ぎそのまま倒れた。
「くぅ、友が……こんな、こんな悲しいことがあっていいの……ねぇ、ニンゲン。なんでカップ麺食べてるです?」
「出るかなーって思ったら。すごいわね、ちゃんと食べごろ。アンタはカレーとシーフード、どっち?」
想像しただけでポコポコ生えて生えてくるんだから楽で良いわね。
「……地面から生えてくるの、食べます?フツー……」
悪魔から白い目で見られたけど!?
「ふっふっふ……私が仕掛けた罠にかかるとは……ニンゲンさんが食べたかぁ」
何よ、牛!私が食べちゃダメなの!?
「いやー。ニンゲンさんは常識あるからミミさんが食べるかぐへぇ!?」
牛の話している最中、悪魔が光線ソードで牛をぶった切った。
「ボクは牛さんステーキ食べます。ニンゲンには分けてあげないのですー!」
「ていう夢を見たのよー」
「……お姉、久々に来てそれでいいの?」




