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悪魔がウチにおりまして・509

ウチには狐がいる。

ぷおぉーお、ぷおぉーお!

何があったのよ!?


いきなりウチで鳴った大音量に飛び起きてしまった。

ちなみに時刻は昼の1時。なによ、お昼寝くらい良いじゃない。

「敵襲ですか!敵襲なのですか!?」

同じく大慌ての悪魔が部屋を走り回っている。

絶対コイツだと思ってたのに!?

「この音、悪魔じゃないの!?」

「ボクじゃないです!ニンゲンじゃなかったのですか!」

ふたりで叫んでいるのはそれくらいの大音量だからお互い耳を塞いでいるからだ。

「とりあえず!音を……止まりました?みぃっ!?」

いきなり止まった音に油断して手を離した悪魔に再び音波攻撃が直撃する。

私はしっかり手をくっつけたままで無事でした。

「悪魔!生きてる!?」

「お星が1匹ー……」

あぁ、ダメだこりゃ。

とりあえず音の方向に進む。

安眠のために買っておいた耳栓が役に立つとは思わなかった。

ただ、この爆音を出しているのが悪魔じゃないとすると……。

犯人はすぐにわかった。

部屋の外に居たからだ。

「狐ー!!うるさーい!!」

なんとリビングでほら貝吹いている狐が居た。

「……おや、ニンゲン殿とミミ殿。いかがなさいまちた?」

ほら貝から口を話した狐がしれっと聞いてきた。

「アンタねぇ……」

私が叱ろうとしたら悪魔が無言で狐に近付いていく。

「ミミ殿、へぶぅ!?」

悪魔、顔面にグーパン。今回ばかりは悪魔の肩持つわ。


「……本日、桃の節句でしょう?祝い日なので景気をつけようと」

祝いと戦、間違えて覚えてるんじゃないの?

「ニンゲン、もっぱつ殴って良いです?」

「やめなさい、家主よ」

1発目?それは甘んじて受け入れてもらおうか。

「というか、苦情来るわよ。防音なんかしてないでしょ」

狐がオーナーという以外、普通のビルだったはず。

「ごんちゃんをシバきましょう、そうしましょう」

悪魔ー、追い出されるよー。

「これ、聞こえるのはこちらの生き物だけですので……」

私聞こえてる件について。

「事前にお伝えちなかったそれがちの責任ですね」

耳をぺたりと垂らす狐。そろそろ許してあげますか。

「でも、ボクらに聞こえるってことは……」


隣の様子を見に行く。

予想通り伸びている羊が居た。

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