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悪魔がウチにおりまして・49

「うぱ!」


ザリガニに背中を殴られた衝撃で白狐のところまで飛んでいく。

「けっ、弱いのにでしゃばるからだ」

「あんた!自分の方が弱いくせに!」

私は叫ばずには居られなかった。

「自分より弱い子泣かして威張って!そんなことしかできない、アンタなんか最低よ!」

「なんだと!」

ハサミを立ててこちらに威嚇してくるザリガニ。

白狐の胸で涙をこぼすうぱ。

どんな生き物か知らない。

でもこんなバカに泣かされていい子じゃない。

「ニンゲンー。うぱちゃんは泣いているのですか?」

「…え、う、うん」

私の後ろで悪魔がこの場にそぐわないほどのんびりと話しかけてくる。

「マゼンダ13号が泣かせたのですか?」

「ダレ?」

「ごんちゃんママ、良いですか?」

「…あまり壊さないでくださいね?」

「ありがとうです」

そう言うと、私とザリガニの間に立ちはだかる。

「ビリジアン5号、ボクの友だちを殴ったのですか?」

「別にー?手を振ったら目の前に居るなんて知らなかったからなぁ」

「…たまたまぶつかっただけなのですね?」

「そうさ、そんなところに居るあいつが悪…」


刹那


ザリガニの周囲1センチを縁取るように雷が落ちてくる。

何発も、何発も、少しでも動けば直撃するのではと思うほど正確に、執拗に。


時間にして5秒程度。

その間に落ちてきた雷は20発を越えるだろう。

ザリガニの周囲にはくっきりと黒い枠が出来ていた。


「タンク3号」

「は、はひ」

「雷、たくさん落ちてきて大変でしたね。たまたま当たらなくてよかったですね?」

「そ、そうですね…」

「…長生きできると良いですね?気を付けて」


悪魔は振り返る。

「うぱちゃん、もういじめる子は居ませんよー。ニンゲンにしか見えなくて残念なのですー」

…そこに居ないけどね?


ウチには悪魔が居る。

怒ると怖い、でもかなり抜けている悪魔が。

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