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悪魔がウチにおりまして・502

ウチには悪魔がいる。

「……愚かな人間ども!我の前に跪くのだ!」


買い物から帰ると角に翼、手には三又の槍っぽいの。

牙を生やし、全身がコウモリのような印象を抱くフォルムのおっきいのが立っていた。

うん、悪魔はこうじゃないとねー。

ウチにいるのはゆるキャラだもんねー。

私はちゃんとした悪魔を一目見るとキッチンの冷蔵庫に向かう。

「貴様!やすやすと動くな!我の姿が見えんのか!」

うるさいなぁ。

せっかく買ってきたアイスが溶けたらどうしてくれんのよ。

「動くなと言っている!……さては、我が見えぬほどのボンク」

「あ?」

ここから少し見えなかったことにする。

あら?気付いたらコウモリ悪魔が正座してるわ。

「あの、すみません」

「声が小さい」

「すみませんでしたぁ!」

なんでコイツがヤケになってんのよ。

「だいたいねぇ、そんな弱いのになんできたのよ。こっちは素手、アンタ武器持ちでしょ」

「あのですね、そうですね。あなたがの力が暴力的に強すぎるといいますか」

「あ?」

コウモリ、背筋をぴっと正す。

「なんでもございません、私は何も言ってません」

なんか一人称変わってるし。

「えぇ、えぇ。私めが侵略など身の程を知らぬ厚かましい行動でございました……なので帰って良いですか?」

ちょっとしつけが足らなかったのかなぁ?

「別に引き留めはしないけど。アンタは本当に悪魔?弱すぎない?」

ウチに居る悪魔の方が骨があるわよ?

「お前が異常なんだよ……」

「あ?」

「ただいまですー!あれ?なんでここに居るです?」

折檻の寸前悪魔が帰ってきた。どうやら顔見知りのようで。

「み、ミミ支部長……」

あれ、アンタそんなに偉かった?

「お前は経理だったからニンゲン界来ちゃダメのはずですよー?」

コイツ、経理!?

ザ・悪魔みたいな見た目してるのに?

「いやー、それはそのー」

「なんかコイツ侵略に来たみたいよー」

「ほほう」

コウモリ、真っ青。

「とりあえず連れて帰るでいいですー?」

「はいはい、アイス買っておいたよ」

どうでも良いことはさておいて、メインのことを伝えると悪魔は耳をピコピコさせるのだった。


ウチから悪魔が去っていく。

「ボーナス、半分ですね」と言われて泣いていたなぁ。

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