表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
511/1159

悪魔がウチにおりまして・500

ウチには悪魔がいる。

部屋の真ん中で座禅を組んでいる悪魔が。


目を閉じてでーんと座っていて邪魔ではあるが、どかす理由も無いからそのまま放っておく。

あの短い足でどうやって組んでいるのかは七不思議のひとつにカウントしてもいいかもしれない。

「ふふふ、目を開けるまでもありません。クモちゃんでしょう、丸わかりです」

私だよ、節穴以前だわ。

クモが驚いてこっちを見てるし。アンタは悪くないよー。

あの、後ろにこっそり近付いてくる狐に反応はないの?

「ニンゲン、後ろにいるですね?みんな、気配の消し方くらいちゃんと……あいたっ!」

狐は背後にピッタリとくっついて5秒ほど待ってからチョップを繰り出した。

「ミミ殿、甘い甘すぎます。まるでサルミアッキのように甘いです」

チョイス!!

それ甘くないヤツ!

「あれ、ごんちゃん?ニンゲン!後ろにいたはずでは!」

何ひとつ当たって無いんだよなぁ。

「悪魔、無理だから。目を使いなさい」

なんか奥義伝授みたいなこと言ってしまって恥ずかしい限り。

「そんなこと無いのです!目を閉じたまま鍋のフタで手裏剣くらい防げるのです!」

あー、これは時代劇を見たなぁ。

「ミミ殿、まず大切なことが。ちのびは、いません」

悪魔はその言葉に耳を塞いでいる。

「侍も、大名もいません」

「いるもん、侍見たもん!テレビの中で!」

ですよねー、テレビの中だよねー。

「絶滅ちたのです。ちなみに、湯屋に行くと?」

「砂金のおおつぶ!カエルの声!」

「お客さまとて許ちません砲もありません」

悪魔、号泣。

「苦団子ー、苦団子ー」

それは要らないでしょう。

「ミミ殿、目を背けてはいけません。無くなったものを懐かしんでも戻ってはこないのです」

狐、さらりと神さまのお風呂屋さんあるていで話してるのは問題だよ?

「ごんちゃん、ボク悔しいです。侍で寿司芸者したかったです!」

欲まみれだなぁ……クモ、ココア飲むー?

「ミミ殿、芸者道は厳ちいですよ。それでも挑むのですか?」

「ごんちゃん、ボクは諦めないのです!」

狐、悪魔の肩に手を乗せる。

「ミミ殿、まずは体力を付けましょう。はちるのです!」

「わかったのですー!走ってくるのです!」

悪魔は狐に言われて玄関から飛び出して行った。


ウチには狐が残る。

「ふぅ、やっとどいてくれまちた」

……策士よのう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ