表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
508/1160

悪魔がウチにおりまして・497

ウチには狐がいる。

ひたすらにチョコを食べ続けてる狐が。


「ごんちゃん、大丈夫ですか?鼻血出ませんか?」

悪魔の心配がズレている気がしないでもないが、さっきからどれだけ食べているのかわからない。

狐は悪魔と違い、律儀に包み紙や箱を捨てに行っているのでゴミを散らかさないのは良いけれど。

「ミミ殿、良いのです。鼻血、結構ではありませんか。まさに出血大サービスというものです」

リアルに血を出すのはサービスにならないのよ。

しかし、狐がここまで黙々とチョコだけを食べるのは不思議でしかない。

「狐ちゃん、いくら何でも食べすぎじゃない?どこから持ってきたの、そのチョコ」

悪魔と違ってわざわざ買ってきているわけじゃないでしょう?

「……他者からの施ちは、無駄にちてはいけないと育っております」

施し?チョコ……まさか。

「ごんちゃん、もしかしてそれってもらったですか?バレンタインのですか?」

口の周りを茶色に染めた狐が頷く。

「ボクに寄越すですー!チョコならいくらでも食べてあげるですー!」

悪魔、目の色を変えて狐に飛びつく。

まるで飛び蹴りのような悪魔の突撃をくるんと転がしてその場に組み伏せる。

「これはそれがちが頂いたもの。いわば心を頂いたのです。それを肩代わりなどできません、させません」

狐、目がマジ。

それがちの血がすべて鼻に集まろうとも、このチョコは責務です」

「にしても、そんなに食べる必要ある?チョコって賞味期限長いよ?」

こんな勢いで食べなくても、腐ることは……。

「13,527個」

狐が板チョコをパリパリしながらポツリとこぼす。

「……ごんちゃん、なんて?」

「13,527個です。それがちに振る舞われたチョコの数です」

なんでそんなに多いのよ!?

「ごんちゃ……モテモテです?」

「今、恋愛運関係のお仕事ちごとを担当ちてます。あくまでも、サポートなんですよ」

「つまり、供物的な?」

「ニンゲン殿、ちばらく夕飯は塩味を利かせたものが嬉ちいです」


ウチには狐がいる。

「ゴメン、今夜大学芋だわ」

「……甘いの、つらい」

泣きながらチョコを食べる狐が。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ