悪魔がウチにおりまして・494
ウチには鬼がいる。
うん、悪魔の関係者ですね。
「悪い子は、いねがー!」
玄関で叫んでいるのは鬼だ。
性格には小鬼。
身長は1mに満たない感じで手にダイコン、肩からミノ。
「悪魔ー、友だち来てるわよー」
絶対あの子の関係者なのでもはや慌てる気にもなりません。
「いねがー、悪い子?」
なんかこの話し方覚えがあるなぁ。
「誰ですか?せっかくスイカが3個できたというのに……あれ?ひとりで来たです?」
3個できるのはたぶんバグかチートなんですよ。
「いねっがー!」
「この子も話せるってオチ?」
「別にボケてないもんー!」
やっぱり話せた。てことはあのなまはげ系か。
「やきはげちゃん、こんなところまでどうしたですか?」
なまのちっちゃいの、焼いちゃダメでしょ。
「おっとうとケンカしたのー!もう帰ってやらないのー!」
「うん、帰って?」
反社的にそう返してしまうと2匹は目を丸くする。
「ねぇ、ミーちゃん。なにこの怖いの」
「やきはげちゃん、近寄ってはダメです。食われます」
食わないわい。
これ以上居候増やすわけにはいかないでしょう。
「あんた、なまはげの子なんでしょ。心配させる前にさっさと帰りなさい」
「でも、でも。おっとうはウチのことすぐ怒るんだ。ウチのこと嫌いなんだ」
こういう親子ケンカって妖怪でもあるんだなぁと感心してしまう。
「だからミーちゃんちに家出なの!」
なまはげの住まいって秋田だよね。
妖怪の家出ってアグレッシブだなぁ。
「帰んなさい」
再び穏便に帰宅を促すとまたひそひそ話。
「このニンゲン、空気読めない」
「ニンゲンはこう見えて気性が荒いのです。刺激してはいけません」
もう充分刺激してるっての。
そんなときにチャイムが鳴る。
「すみません、ウチの子来てねっすか……ごら、やぎ。迷惑かけたらいかん」
お父さま登場!?
「どうしてここがわかったですー?」
「こんなこともあろうかと、スマホ持たせてるんで」
……なまはげ、スマホ契約どうやってんだろう。
「はなせー、はなせー」
「ウチ帰ったら折檻だかんな」
なまはげの子、そのまま連行されていきました。
「ニンゲン、今日の晩ご飯、なんですー?」
切り替え早いな、うらやましい。




