悪魔がウチにおりまして・492
ウチには悪魔がいる。
とんがり帽子を被っている悪魔が。
「似合わない」
「いきなりディスられたです!?」
いやー、似合わないでしょ、ケモノが帽子被ってても。
「似合う似合わないの問題じゃないのです。これは今大流行の族分け帽子なのです!」
……またギリギリ攻めたなぁ。
『グリフィスドール!』
また族も攻めてるなぁ、怒られるぞ、そろそろ。
「ミミ殿、てっきりスリスリンだと思いまちた」
「なぁに言ってるですか。ボクほど勇気に溢れた存在はいないのですー!」
「その組わ……族分け帽子って原作のままなの?」
「原作?知りません、ボクは4/3番線なんて知りません」
あぶれてるんだよ、もはや10番線なんだ、それ。
「そうしたらごんちゃんはどこになりますかねー?」
狐の頭にひょいっと帽子を乗せる。
『レイブンツメー!』
「某なら当然です」
ツメーって賢さから遠そう……。
「ミミちゃん、ボクも、ボクも」
モグラがぴょんぴょん飛んで帽子をせがむ。
『ハッフルパイ』
なんかわかる!
パイって言うところが実にモグラっぽい!
「……のんびりしてないもん」
別にのんびりだからって選ばれたわけじゃないでしょうに。
「子どもたち、そういうの好きですよねぇ」
羊がみつまめを食べながら戯れる子たちを眺めている。
「アンタ興味ないなんて意外ね」
こういうのに一番乗っかりそうなのに。
「前に被ったことあるんですが……」
おもむろに羊が帽子を被る。
『退学』
「ね?」
羊がちょっと可哀そうだった。
「これって私が被っても出るのかな?」
要するに性格診断みたいなものだろうから。遊びだし。
「ニンゲン、被ってみるですかー?」
悪魔から帽子を受け取って、頭に乗せてみる。
「……」
あれ?さっきまですぐに言っていたのに。
「壊れたのかな?」
「鹿児島」
……待て、それミームでしょ!?
周りにいた子たちが「あー」って納得の声上げてるし!
「ニンゲン、切腹はダメですよ?」
せんわ!!
ウチには帽子がある。
『……えっ?』
うぱに被せたらこう言いました。




