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悪魔がウチにおりまして・490

「悪魔ー、それ重いから気を付けてねー」

「ニンゲン、大丈夫ですよ。ボクは力持ちなので……うっ!」

……その時のケガがきっかけで、悪魔は戻ってくることは。

「戻ってきてるです!!……あいたたた……」

というわけで人の忠告を無視して腰をいわした悪魔が布団に寝ている。

「ほら、うつぶせにになりなさい。湿布貼ってあげるから」

……といっても毛むくじゃら。

「悪魔、毛、剃っていい?」

「ダメですよ!?」

ダメか。ならどうしよう。

「安静にしてれば大丈夫ですー。そもそもこっちの薬が効くわけないじゃないですかー」

こっちの食べ物もりもり食べてるから効くと思ってた。

「仕方ない、歯医者に連絡を……」

「ニンゲン?ボクの腰を犠牲にこの世界を滅ぼしてもいいのですか?」

嫌いすぎだろ、歯医者。

「あやつはこんな姿のボクを見たらあんなことやこんなことをして辱めるです。2度と外をお嫁に行けなくなるです」

混ざってるし、そんなことしないでしょ。

「どうする?そのままで良いの?」

そうは言っても痛いままで放置も嫌だろう。

「動かなければ、痛くないです。今日はこのまま寝てれば治る気がします」

本人がそういうなら良いんだけどさ。

「なのでニンゲン、今日はボクを労わるです、崇めるです。今こそ、悪魔の尊厳をにぎゃぁ」

言葉の最中に腰を突くと涙を浮かべながら声が消えていく。

「ニンゲン?さすがに腰が痛いのは本当です。卑怯です。本当に動けないんですよ?」

だったら生意気言うんじゃありません。

「ミミ君!お見舞いに来ました!あれ?ミミ君はどこですか?」

羊がメロンを持ってクローゼットから飛び出してきた。

普通に入ってくれば目の前に居たはずよ。つまり……。

「アンタの足元、見てみて」

羊は目線を下ろす。下には顔を踏まれた悪魔。

「……ごめんなさい」

「良いから降りて欲しいです」

悪魔の文句を受けて、羊は一歩下がった。

「あの、コレどうぞ……」

「もう1個!詫びメロンを寄越すです」

メンテナンスでもしてたのかな?

「いけません、メロンをふたつなど!くっついてスイカになっちゃいますよ!」

……ネタが微妙に古いんだよなぁ。


ウチには羊がいる。

「そういえばポーション持ってきました」

「先に渡すですー!」

わざと悪魔をいじめているようにしか見えない羊が。

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