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悪魔がウチにおりまして・486

ウチには悪魔がいる。

時たま恐ろしくこだわりを出す悪魔が。


『食らえ怨霊!我が位を座した必殺の厄払い!恩!妙!爺!』

『ぐおー!!おのれ、陰陽師……もとい恩妙爺。私を祓っても第2第3の怨霊が、ぐおー!』どかーん!

『はっはっは!恩妙爺がいる限り!京の平和は保たれるのだ!』

「カッコいいのです!おんみょうじい!」

悪魔はテレビの前で拍手喝采、狐なんか涙を浮かべている。

「今回こそダメと思いまちた……。妖怪・碁石んのコウ潰ちを受けてじいが、じいが……」

怨霊なのか、妖怪なのかはっきりせい。

「陰陽師、最近人気よね。ほらこの前ネットに令和の陰陽師って……」

そこまで言って息を飲んだ。

悪魔と狐が目をかっぴらいてこちらを見たせいだ。

「ニンゲン?陰陽師はいないですよ?」

「いや、でも今『おんみょうじい』って」

「あれは創作で戦隊ものだから許されているのです」

「ニンゲン殿、陰陽師の歴史れきちはご存じない?」

知らんよ、平安の魔法使いとしか。

「ニンゲン、日本人ならみんな知っておくべきです」

悪魔はフローリングをだーん!と叩いた。

何もない。無言で和室に移動して畳をだーん!と叩いた。

ひっくり返る畳、舌を打つ狐。後で叱られろ。

「いいですか、ニンゲン。陰陽師は国家公務員、天気予報士です!」

「違います」

狐のツッコミ、早っ!

「平安時代、王様を守るためにまほーを使ったです!」

「違います」

狐、替われば?

「現代で陰陽師を名乗っているのは詐欺師なのですー!」

「だいたい合ってます」

合ってるんだ、そこは!?

「継承が途絶えている以上、由緒正ちい陰陽師はいません。名乗っているのは陰陽師の知名度を使おうとちている者たちというのは合っています」

「それって悪いこと?」

「悪いのですー!嘘つきは舌を抜けー!」

悪魔の頭をスリッパではたく狐。

「利用ちてるのは間違いないでしょう。悪かと言われると難ちいですが」

「本音は?」

「滅べば良いです」

狐、にっこり。

その笑顔黒いんよ。


ウチには悪魔がいる。

「じゃあさっきの戦隊も無くていいの?」

『それは違うのです』

そこは違うのかー。

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