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悪魔がウチにおりまして・485

ウチには自販機がある。

……なんで?


自販機、自販機である。

家に帰り、リビングに入ると低い駆動音を鳴らしながら、缶の自販機が部屋の中にそびえ立っている。

(どうしたんですか、ニンゲンさん。いくら自販機があるからと言ってコレは冷蔵、フリーズするには温度が高いですよ、あっはっは)

脳内に流れるイモ虫の声。

やかましい、私の脳内だとしても居座るなら家賃取るぞ。

不貞腐れたイモ虫の顔が見えた気がしたが、さっさと忘れることにする。

しかして目の前にある自販機は消えず。

というか部屋が暑い。

この巨大機械があることで室内の温度が上がっているとしか思えな

「あー、届いげふ」

決まり手、シャイニングウィザード。

元凶である悪魔に教育的指導をお見舞いするのだった。


ウチには悪魔がいた。

この技が原因で行方不明なった悪魔が。

「勝手に行方不明にするなです!しっかりこめかみ入りましたよ!?死ぬかと思ったです!!」

これくらいで死なないと知ってるからやったんです。

「説明。私は今、2発目の準備をしています」

その場に正座して、頭に2足のスリッパを差す悪魔。

「意見を述べようと思いますです」

「誠実な対応、感謝します。で?どうやって言い訳するの?」

ぶおんぶおん鳴り続ける自販機の熱の出る部分を指さし、排気熱に当てながら正座させる。

「適温のジュースをいつでも飲みたくて。ぴっぴしたくて」

冷蔵庫って知ってる?てか理由が完璧に後者でしょ。

「返してきなさい。今すぐ」

「ニンゲン!高かったです!レンタルで3万もするのですよ!」

……それくらいで借りれるの?逆に驚いたわー。

じゃなくて。

「ウチに自販機は置けません。捨ててきなさい」

「こんなに可愛いのに捨てろだなんて!ニンゲンには愛情がないのですか!」

ペット扱いしてるんじゃないよ!

「おや、暑いですね。なにかありまちた?」

狐が帰ってきて、入っていないエアコンを切った。

つまり電源を入れたその時、バツンと部屋の電気がすべて落ちたのだった。

「……停電?」

「自販機、電気重いですかね」

「ミミちゃん、ちょっと良いですか?」

……狐はにっこり微笑み悪魔の角を掴み風呂場に連れていく。


ウチには悪魔がいる。

「ミミちゃんは晩御飯要らないそうです」

「出してー、出してー」

それやると今日風呂無しになるから場所変えてね。

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