悪魔がウチにおりまして・464
ウチには悪魔がいる。
ときどきとんでも無いことをする悪魔が。
「ニンゲンー。今年って23年ですよねー」
うん、年変わったばかりだな?
「24ね、いきなりどうしたの?」
「……げっ。捨てないとですー」
……いやな予感がする。
「何を捨てるのかなー?」
「おろしショウガですー」
確かに余るものではあるけど。ますます募るいやな予感。
「期限は?」
「1月15です」
「……何年?」
「捨てるので平気ですー」
絶対去年だっただろ!
「それ、どこに有ったのよ」
「もちろん冷蔵庫ですよー。前買っておいたのに、使わなかったんですねー」
いやな予感というか、事実が積み重なっていく。
「もしかしてアンタ、勝手に買って冷蔵庫突っ込んでたりする?」
「たまーに?」
よし、全部ひっくり返すぞー!
何が詰め込まれているかわからない冷蔵庫、これを機にすべて掃除しましょう。
冷凍品は賞味期限長いし、アイスとかは期限無いって聞いたから今回は放置。いつかやる。たぶん忘れる。
問題は冷蔵庫と野菜室だ。
出るわ出るわ買った記憶の無い品物が。
「煮卵、9月」
「ラーメンに入れようとしてました」
「粉ココア、7月」
「そこに入れてましたかー」
「タタミイワシ、4月」
「それ、ごんちゃんです」
「生ハム、12月……22年!?」
「ワイン飲まなくなりましたからね」
ウチの冷蔵庫、古墳かよ!
「アンタ、冷蔵庫使うの禁止ね?」
コイツの自由にしてたらそのうち土器でも発掘されるわ。
「……こう言っては何ですが」
悪魔はジト目でこちらを睨んでくる。
「ニンゲン、毎日冷蔵庫使ってますよね?なんで気付かないです?」
痛いところを突いてくる。
「ニンゲンがちゃんと掃除してればこんなに溜まらないんじゃないですかぁ?」
……待て?
「アンタが勝手に買わなきゃ「おっと、ボクには用事があった気がします」
ウチには悪魔がいる。
反省文を100枚書くまで許しません。




