表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
470/1161

悪魔がウチにおりまして・459

ウチには悪魔がいる。

「ニーンーゲーンーさーんー」

牛、なんか遅くない?


なぜか話すスピードが異常に遅い牛。

全部忠実に聞いてたら時間がいくらあっても足らないので通常のスピードで聞いてもらいます。

「アンタは普通に話しているつもりなんだ?」

「そうです。でもなぜか話し方だけ遅くて」

確かに腕を組んでからゆっくり聞こえる声。

動きとちぐはぐだと違和感が半端ない。

「牛殿、コレを読んでください」

「隣の客はよく柿食う客人で、ウチの客もよく柿食う剣客だ。何やらせるんですか」

本当だよ、狐が最近アホに毒されている。

「ふむ、これでも戻りませんか」

戻るわけないでしょう。

「まぁ、困ってるわけじゃないんで私は構いませんが」

こっちが困るんだよ、主に会話時間で。

「ちかし、原因がわからない以上対処ちようもございません。牛殿、何か心当たりはありませんか?」

牛はアゴに手をやる。

「そうですねぇ。昨日納豆を食べたせいでしょうか?」

んなわけあるかい。

「それかもちれません。ニンゲン殿、解毒のために石鹸を食べさせてみましょう」

正気か、このケモノ。

「ごんさん、なんで石鹸?」

「ねばねばには滑りをよくすれば良いのかと。牛殿なら飲めるかと」

その発想、酷すぎる。

「さすがに石鹸を食べるのは生物辞めてるでしょう。サラダ油飲んだらだめですか?」

その油、ウチのシンク下から持ち出すつもりじゃあるまいな。

「ただいまですー」

こんな時に普段はトラブルの元凶、悪魔の帰宅。

「ニンゲン、とっても無礼なこと考えてませんか?」

気のせい、気のせい。

アンタは読心術は使えない、いいね?

「なぜか私が喋るの遅く聞こえるらしくて。USB抜き差ししても、再起動しても戻らなくて」

中の人の事情を代弁させるんじゃない。

「……あれ?牛さん、背中に虫が」

ペリっと何かを剥がす悪魔。

「アレ?戻りました」

「コレ『スロウスバチ』ですね。刺されている間声だけが遅くなるんです」

……変な虫、じゃなくて。

「牛、刺されてて気付かなかったの?」

「虫程度じゃ気付かないでしょ?」


ウチには悪魔がいる。

「ちなみにニンゲン、刺されたら普通死にます」

物騒な虫、連れてくるな!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ