表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
465/1159

悪魔がウチにおりまして・454

ウチには悪魔がいる。

昼からビールを極めている悪魔が。


「ぷはぁ!この一杯のために生きてるですぅ!」

口元に白いヒゲを作りながらオヤジみたいなことを言っている。

「休みだからって良いの?」

私は一応常識人なので昼酒など嗜みません。

ええ、うらやましくなどありませんとも。

「ニンゲンさんが飲まないなら私はいただきましょう。ミミさん、半分で良いですよ」

「牛さん!?半分のグラスがおかしいです!?」

ゆうにリッターは入りそうなデカジョッキを持ち出して半分は無いでしょうに。

「しかし平和とはいいですね。こうしておビールを飲みながら新年を過ごす……つまみが無いのが残念ですが」

ちらりとこちらを見てくる。

自分で買ってきなさい。

「明けましておめでとー。あいさつ遅くなっちゃった」

出し抜けにお姉がしれっと入ってくる。

「おめでとー。……カギは?」

「開いてたわよ?」

「牛!開けたら閉める!強盗入ったらどうするの!」

牛を叱りつけると悪魔と顔を見合わせる。

「強盗……怖いです?」

くっ!こやつらが居れば返り撃ちが確定している!

「相変わらずにぎやかで良いわねぇ……あー、飲んでたんだぁ?」

悪魔ズのジョッキを見てなぜか残念そうなお姉。

「お姉も言ってやってよ、昼から酒なんて……うん」

口をつぐんだのはお姉が持っていた酒瓶が目に入ってしまったからです。

「せっかく持ってきたのに……」

「ニンゲン姉、それはまさか『無有柄ないあがら』!?」

目を丸くする悪魔、身を乗り出す牛。

「知ってるの?」

「ニンゲンさん、今一番有名な日本酒ですよ。富士の湧水を使い、新潟のコメ、そしてカナダの職人さんが作った幻の日本酒ですよ」

情報が最後ドリフトしたけど!?

「執行者さん、どのツテで手に入れたんです?」

「もう執行者は止めてよぉ、もう脱退してるんだから」

「ニートさ」

「挽いてハンバーグにするぞ、牛肉」

お姉、目だけが笑ってない!

そんなやり取りの最中、クモが皿を担いでお姉の足元に近付いていく。

「アナタも飲みたいのぉ?良いわよ、せっかくだし」

きゅぽんっと栓を抜き、皿に注いでいく。

クモは両手を上げてお姉に頭を下げて飲み下していく。

「縁起がいいわねぇ」

クモに日本酒が縁起がいいってのは初耳ですけど?


ウチには酔っぱらいがたくさんいる。

飲んでない私がばかみたいじゃない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ