表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
443/1160

悪魔がウチにおりまして・432

ウチには

「人の仔ー!聞いてよー!」

嫌な予感しかしません。


いきなりクローゼットから飛び出して来た神ちゃんがティッシュで鼻をかみながら足元に寝てた悪魔に躓いてそのままベランダの外に飛んでいった。

「襲撃ですか!?ちんぶれなのですか!?」

種族的には襲撃なんだろうけどさ。

「なんか神ちゃんが飛んでいった」

「ウソです、神ちゃんは飛べません」

そうね、そのまま落ちていったからそうなのでしょう。

「人の仔ー!開けてー!」

落ちたはずの神ちゃんが玄関のチャイムを連打している。

「神ちゃん、なんで外からですー?」

開けるな、危険だ!

「やっぎーがひどいのー!」

めきょっと扉を壊しながら入ってくるのだった。


狐が泣きながら段ボールを扉に貼っている。

今回、完全なとばっちりだもんねぇ。

「神ちゃん、落ち着きました?」

周囲に酒瓶が転がっているのだが、そろそろお帰り頂きたいですな。

「うん、ちょっと飲んだら落ち着いた……」

ねぇ?6本!ビン6本!

「どうしたんです?羊さんがなんかしました?」

悪魔の言葉に神ちゃんは机にエルボーをかます。

「そうなの、聞いてよ!」

曰く、クリスマスの予定を聞いたところ仕事と答えられたとのこと。

「新婚よ!?なんでクリスマス一緒に過ごせないのよ!」

それでこんなに荒れてて被害を受けたのが狐ってシュールだよね。

「あー、それは神ちゃんが悪いですー」

神ちゃん、その手に持った酒瓶を下ろしなさい。

「悪魔族、クリスマスとかバレンタインは基本仕事ですよ。ニンゲンを堕落させるために七面鳥を狩り、クッキーを焼かないと」

「でもやっぎー、こっちの世界で働いてるじゃない!ほら、人の仔だって……うん、私が悪かったかも」

待って!?こっちの労働状況見て諦めたの!?

「人の仔……休めるときは休まないとだめよ?」

同情するなら休みくれ!

「というわけで、クリスマスと正月はお仕事ですー」

「新婚なのに?」

目を潤ませる神ちゃんだが今回ドアぶち破ってるので慰めませんぞ。

「そもそも神族と結婚する悪魔がいるなんて想定外ですからー。こっちは休みが被るので」

「ふぅーん……分かった」

ゆらりと立ち上がると、神ちゃんはクローゼットに戻っていくのだった。

「……いやな予感します」


ウチには羊が来た。

「クリスマス、いきなり休みになったのはなぜでしょう?専務は『戦争を回避するためだ』って」

やりやがった、あのワガママ娘!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ