表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
430/1159

悪魔がウチにおりまして・419

ウチには悪魔がいる。

大きさが倍になっている悪魔が。


「なんで、そんなに大きくなったのかしら?」

昨日まで普通だった悪魔がまりもになっていたのは衝撃を受けました。

「真面目にやってきたからで無いですか?」

そのままお引越ししたいのか、このまりも。

「冬毛なので仕方ないのですよー」

今までそんな膨れたこと無かったでしょうに。

「昨日さむさむしたのでぼーえー本能です、仕方ないですね」

仕方ないと言えば許されると思うなよ。

「こんにちはー!牛さんいま……毛玉!?」

口の悪い担当・溝口の言葉が的を射ているのがくやしい。

「というか、なんでシレっと家に入って来れてます?」

たしかカギをかけておりましたが。

「それでしたかー。ちゃんと合いカギを作ってるので合法的侵入です!」

製作過程が非合法じゃありませんこと?

「担当ー。久しぶりですー」

あんぐりと口を開けている担当さん。その毛玉に躊躇なく拳を叩きつける。

走る衝撃、めり込む拳。

微動だにしない大きな毛玉。

「ふぉっふぉっふぉ、そんなものが我に聞くとは……担当!?そのライターをどうする気です!?」

「毛玉に見下されているなんて人としての矜持が傷付きます。毛なのでしょう?焼けば……」

「おバカ言わないで」

私は初めて人類にこの黄金のカカトを落とすのだった。

よし、室内火災の危険は去った。

「ニンゲン、ニンゲン同士って確か攻撃すると犯罪では?」

「ウチに火を点けようとしました、正当防衛です」

なるかはわからん、四の五の言うなら埋めるしか。

「みそかつっ!?」

ち、生き返りやがった。

「溝口さん、急に倒れられたのですよ。体調が優れないならお帰りになられたほうがよろしいのでは?」

「ううん……後頭部に衝撃があった気がするのですが」

「目に見えない力が働いたのですよ、お帰りになられるのがよろしいかと。あと合いカギは回収しますね」

無事、不法侵入のタネを回収して追い出……お帰りいただいて平和ですね。

「時々ニンゲンがニンゲンなのか疑いたくなります」

純粋な悪魔に言われたくないわよ。

「ちなみに、それっていつまで膨れてるの?」

「暖かくして、お粥でも食べていればすぐに戻りますー」

風邪か、風邪なのか!?


ウチには毛玉がいる。

「ニンゲンさん、あなたにプレゼントを。金塊で良いです?」

牛が分不相応なプレゼントくれたのはなぜなのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ