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悪魔がウチにおりまして・415

ウチには……。

「ニンゲン、ようこそ!悪魔の5分調理時間に!」

帰ろうかしら。


「ニンゲン!踵を返さないで欲しいのです!」

とりあえず外の空気を吸うために戻ろうとすると悪魔が足にしがみついてくる。

「変な幻を見た、悪魔と一緒に暮らしてなんかいなかった」

「ボクたちの一年否定するほど嫌ですか!?」

おー、もう一年も一緒に暮らしてますか。

「そろそろ駆除を」

「ニンゲン!?ボクたちの愛の日々は!?具体的にはココア戦争の日々は!?」

それは愛ではなく、争いなんだよなぁ。

「で、いきなりなんですか?ミミさん?」

「いきなりの敬語って相手にダメージ高いの知ってやがります!?」

そろそろ泣きそうだから話を進めてもらいましょう。

「さっさとご飯食べたいんだけど」

「そう!まさに!それ!」

なんか暑苦しい。

「……言い訳聞きましょう」

「今から作るので、手伝ってください」


「で?なにを作る予定なの?」

「きょーは、ぐらたんを、つくりたかったですー」

なぜかタンコブを作った悪魔はふらついている。

クモはむにゃむにゃ手を合わせている。

「今からグラタンは時間かかり過ぎるなぁ、そばでいい?」

「ボク、おそば食べちゃいました」

「なら大丈夫ねー」

悪魔、目を丸くする。

ご飯を作り忘れたぎるくまがお昼に何を食べていようが知りません。

「ひどい!裁判所に権利の侵害を訴えます!というかおそばが無いのです!」

「却下します。……は?20束はあったわよね?」

この前魔界納税で箱で来たはずなのに。

「わんこそばしてたらいつの間にか……みきゅ!?」

なぜか悪魔のタンコブが増えたんだけど今日の晩ご飯どうしよう。

「わぁー星がきらきらー」

「ねぇ、クモー。食べたいものある?」

クモは汗を掻きながら手をブンブンと振っている。

あんたには何もしないわよ。

「ただいまですー」

「牛ー、今日の晩ご飯作り忘れたって」

ちょうどいいタイミングで入って来た牛に注げると鷹揚に頷く。

「なんとなくそんな気がしたので買ってきました」

コイツ、時々予知でもしてるんじゃないか?


ウチでは晩ご飯の時間である。

「何買ってきたの?」

「天ぷらそば、とろろそば、にしんそば。きつねそば。好きなのどうぞ」

「牛さん!?」

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