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悪魔がウチにおりまして・413

ウチには悪魔がいる。

巨大な中華鍋を振るっている悪魔が。


家庭用コンロには考えられない火力をもって火柱を上げながら、香ばしい音とかぐわしいかほりが部屋に立ち込めてる。

火災報知器鳴らないよね?

「ニンゲン、質問があります」

悪魔が鍋を振りながら背中越しに話しかけてくる。

「ニンゲンたちはなんでチャーハンとラーメンとギョウザとワンタンを一緒に食べるですか?」

なんなの、その特盛セット。

「食べる人もいるけど、量多いよね」

そこまで食べるとかろりぃが心配になる。

悪魔は首をゆっくり振る。

「量はちょうど良いんですけど、バランスが」

そういえば、コイツめっちゃ食べるんだった。

「バランス とは?」

「ニンゲン、なんか検索画面みたいになってます」

最近は便利になったよねー。

「問題は炭水化物多くないです?」

確かにコメと小麦のオンパレード。

「こんなに炭水化物ばかりではお腹いっぱいになるだけです。いけません、あぁいけません」

悪魔はため息交じりに首を振った。

「悪魔、そんなこと気にする?」

「食事は1日3回しかないんですよ?それなのにこだわらないってもったいないのです」

悪魔は鍋を振る手を止めることなく、真剣な目を向けてくる。

食にこだわり強すぎるでしょ。

「炭水化物は食べたらすぐ眠くなっちゃいます、時間も勿体ないのです」

などと昼寝好きーが申しております。

「ニンゲンもご飯を作るならちゃんとバランスを考えて作って頂けると……」

「へい、悪魔」

悪魔が火を止めて、皿にチャーハンを盛っているときに声をかける。

「ニンゲン、どうしました?」

「昨日悪魔さんは、ご飯に納豆をかけて、豆腐のお味噌汁をお召上っていましたね」

「美味しかったです」

チャーハンをついばみながら頷く。

「悪魔さんはバランスが大切と言いましたが、昨日のメニュー出せなくなります」

「なんで!?」

「全部大豆だからです」


悪魔はスマホで調べている。

「……ニンゲン、なんで?なんで?」

私に聞くなよ。

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