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悪魔がウチにおりまして・410

私は浜辺に座っている。

あぁ、海がキレイ。


こうなった経緯を話すとこうだ。

「悪魔、それ何?」「どこでもツボー」「ドアじゃないんだ?」「このフタが固くて開かないのですー」「嫌な予感」「開いた!」『う、うわぁぁ!?』

気が付いたら、ここに居ました。

さっきスマホのGPSで確認したらどうやらここは日本の孤島らしい。

異世界じゃなくてよかった。

「ニンゲンー、ヤシの実がありました!食べましょう!」

それはおそらく食べられないよ?

悪魔は腰ミノを付けてはしゃいでいる。

なんで普段服を着てないのにミノ付けてるんだよ。

悪魔に巻き込まれることは何度もあったが、今日は怒る気にもならない。

「悪魔、そんなことよりここで生きていかないといけないのよ?遊んでる場合じゃないんだから」

「……ニンゲン、ボクは何をしたら良いですか?」

いつになく真剣な悪魔の目。

その勢いに気おされてしまう。

「と、とりあえず水を確保しないと」

「あいさー!」

それからの悪魔との孤島探索は驚くほど順調だった。

川を見つけ、生水は危ないと乾いた土地を見つけ火を起こし、煮沸して飲み水を確保する。

食べ物は川を泳いでいた魚だ。

釣りなどされたことの魚は簡単に釣れた。

海水を塗って焼くとそれは美味しい塩焼きができた。

日も暮れてあたりが暗くなる時にはお腹はしっかり満たされているのだった。

浜辺に戻り海を眺める。

穏やかな海、暖かな気候。

命の危険は感じなかった。

でも、それも今日だけだ。

不安が募っていく。

鼻を鳴らしていると悪魔が隣に座る。

「ニンゲン、どうしたですか?」

「……帰りたい、ウチに帰りたいよぉ」

悪魔に話しかけられて一気に不安が噴き出した。

涙をこぼし、悪魔に抱き着いてわんわん泣いてしまう。

悪魔はそっと撫でてくれた。

「ニンゲン……スマホで助けを呼べばいいのでは?」

涙が、引っ込んだ。

「は?」

「だって帰りたいなら助けを呼べば良いのですよ?電波届いてます」

……そうね!自分で位置情報調べたもんね!!とりあえず一発殴るわね!?


翌朝、船の上に居る。

救助隊にめっちゃ怒られました。

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