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悪魔がウチにおりまして・403

ウチでは青い羊と頭を抱える担当がいる。

私たち完全に巻き込まれだよね?


「……つまり日田さんは悪魔で、この人も悪魔でこの人も……は、人間ということですか?」

なんか私まで一瞬悪魔にされたのは気にしない方向で進む。

「あ、あの悪魔は契約してはいけないんでしょうか……」

羊は震えながら担当に尋ねる。

気にするの、そこなのかわからないし。

「別に家畜だろうと悪魔だろうと関係ありません。作家の仕事は書くこと、書いてくれるなら問題ありません」

ぱぁっと明るくなる羊と悪魔。

そっか、羊のファンだから書いてもらわないとだめなのか。

ちなみに悪魔は既に地雷子ちゃんから戻ってます。

秘密もへったくれもあったものではありません。

「担当!いい男っぷりです!」

「私は女です、毛むくじゃら」

おー、キモ座ってますなぁ。

悪魔と知ってまだ15分よ?

「で、日田さんが連絡取れないのはあっちの世界で奥様といちゃついているせいだと?」

「溝口さん、語弊があります」

「そーです!だいたい神ちゃんと喧嘩して負けてます!」

「ミミ君、お口チャックです」

毛の色が赤く染まっている羊。

さすがに夫婦喧嘩に負けたのは恥ずかしいのか。

さっきから頭を抱えてる溝口さんは微動だにしない。

固まったまま目線を上げずに目頭を押さえている。

「あの、私帰って良いですか?」

「ニンゲン!ここが家です!」

悪魔、要らんツッコミはやめてください。

「あなたも同罪なんで居てください」

なんでよ!?

「普通、普通に考えてください?前任の担当が資金持ち出しバレて首になった後釜で魑魅魍魎の担当?バカですか?バカですよね?同情してくれます?」

それをよりにもよって悪魔に言うなって。

「確かに斜陽業界に就職した私が悪いと思いますよ?思いますけど、バケモノと関わるなんて想像できます?」

バケモノと呼ばれた悪魔がうんうんと頷く。

頷くしかできない圧があるのは確かですな。

「担当も苦労してるんですね」

「もう良いです。そっちがその気なら私も腹括ります」

ポケットから容器を取り出し、ぷはぁとあおる担当。

「ニンゲン、このヒトお酒飲んでます!」

変に飛び火してほしくないから黙ってるがよい。

「作家を続けてもいいので……?」

「文章は間違いないので。間違ってるのは種族だけです」

本当にキモ座ってるね、このヒト。

「いいですか、ケモノだとしても容赦しませんからね!」


ウチには震えている羊がいる。

「羊さんってもしかして女運悪いです?」

あんたが言ってやるなって。

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