悪魔が会社におりまして・ウチあく393
ボクの朝は早いのです。
今8時57分。
3分も前にタイムカードを切ってしまったボクが誇らしいのです。
ところでなんでウチの会社は未だに紙を差し込む式の出勤にしているのでしょう。
21世紀ですよ?あいてぃ全盛ですよ?
少しでも折れ曲がると読み取れないタイムカードなんて廃止すべきなのです。
しかし、周りの悪魔たちはそんなこと思っていない様子です。
アレなのですか?ニンゲンの世界の方が進んでいるのですか?
悪魔体操第一もできないのに!
タイムカードを戻してデスクに向かいます。
いつものようにボクの机に積まれた紙の束。
なんで紙なんですか!?
仕方ないので目を通しながらヒヅメを押して……コレもおかしくないです?
なんで手を汚す前提なんです?せめてハンコ作りましょうよ!
ぶっちゃけボクと同種のヒヅメ区別付くヤツ居ます?
……はっ!
だから同種が各部署に1匹なのですね!?
長年の疑問が解けたところでぺったんぺったんしていきます。
つーらーいー。
たまに変なこと書いてあるから迂闊に認可もできません。
責任など負いたくないのです。
えっと、これは羊さんの書類……なになに?「納期が遅れます、ごめんちゃ(意訳)」ですって?
燃やしても良いです?この紙。
あーダメですね、他の人の印が3つくらい付いてます。
ボクが燃やしたことバレちゃうです。
えっと「納期に関しては厳守、間に合わないようなら改善案と共に提出を求める」と。
お仕事なので、友だち贔屓はしないのです。
……ふう、これで書類は終わりました。
もう11時になってしまいました、お昼ご飯に行きましょう。
早い?そんなことはありません、12時に行くと混むのです。
「こんにちはー、今日の日替わりなんですかー?」
「今日は溶岩煮込みハンバーグですよー」
おぉ!レアなやつです!
「3つくださーい」
「はーい、少々お待ちをー」
ふふふ、ひと月に1回あるかどうかのハンバーグ、今日は当たりなのですー。
「おや、ミミさん。サボりです?」
牛さん!あーたと一緒にしないで欲しいのです。
「なんか非常に悪意のある想像してません?」
そんなことは無いのですよー。
「牛さんは何食べてるです?」
「ざるそばです。好きなんですよね、ざるそば」
牛さん、もしかしてお金無いのでは……?
「ボクの好みとお金を繋げないでもらいたいですよ」
この後、昼休みから戻ると、書類が倍積まれていたのは見なかったことにしたいです。がっでむ!!




