表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
385/1156

悪魔がウチにおりまして・374

ウチには悪魔がいる。

「ぎゅーにゅーとこっぺぱーん、こっぺぱーん」

「やかましい」


「なんですか!耳コピのために歌っていたというのに!」

「よりにもよってその替え歌で覚えることは無いでしょう」

リコーダーの合いそうな替え歌を歌いおって。

「いいじゃないですかー。どうせ歌っても覚えられるわけないなら楽しまないとー」

さっきまで言ってたことと矛盾してるの気付いて?

「またオカリナ始めたの?」

耳コピというからにはなにか楽器だろう。

コイツ、前にオカリナやってたことを思い出す。

「ですです。楽譜の曲はそれなりに覚えまして」

そういうとオカリナを咥えて「仰げば尊し」を吹き始める。

しかも悪魔の姿で。

「ヒヅメ、どうやって吹いてるの?」

「削りました!」

悪魔は手を広げた。

ちょうどオカリナを押さえるところを出っ張らせるように丸い凸。

なんという執念。

「そんなにオカリナ好きだったのね」

「楽器練習の良いところは練習すれば必ず上達するのです……。裏切らないのです」

悪魔の目が虚ろになる。

何があったのか、怖くて聞けやしない。

「ただいま戻りまちた。ミミ殿、おかりな上手になりまちたね」

狐がスーツ姿で帰ってくる。

クモが駆け寄ってバッグを受け取る。

「狐ちゃんなんつー恰好してるの?」

「今日は取引先との会合でちて。がしゃどくろは頭が固くていけません」

なんか大妖怪の名前で無かった?

「ごんちゃーん!どくろさん、元気でしたー?」

「相変わらず曲がらない方でちた。骨なので曲げようがないのですが」

……笑うところ、なのかなぁ?

「そんな妖怪と会合って」

「ニンゲン殿、悪魔と暮らちているモノが言っても説得力が」

痛いところを突いてくるなぁ、この狐。

ぴーぴーぽ、ぴっぴぽー、ぴっぴぽー。

悪魔こっぺぱん吹かない。

「妖怪もこんななの?」

「まさか。ちゃんと悪しきモノを食べてます」

食べてるのかぁ。

「まぁ、条約をきちんと結んでますので、悪いことちなければ安心です」

ぴっぴぽー。

今はこの音が心安らぐね。


ウチには怖い狐と緩い悪魔がいる。

クモもなんか鎌研いでるし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 牛乳とコッペパンでは知らなかったので検索したけど その答えがわかってからの 「ぴーぴーぽ、ぴっぴぽー、ぴっぴぽー。」は納得の面白さでした
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ