悪魔がウチにおりまして・373
22〷年!
世界は悪魔界の魔の手に包まれていた!
荒廃した世界、しかし人類は滅亡してなかった!!
「どうでも良いけど、なんで私はまだ生きてるの?」
「細かいことは気にしてはいけません」
「カオス過ぎない?」
「いつものことです」
そんな感じに世紀末ってるわけなんだけど。
「ニンゲン、今日の食料はどこにあります?」
「アンタ、奪ってくる側じゃないの?」
心なしかモヒカンになっている悪魔に尋ねると大きくかぶりを振る。
「なぁにを言ってるです、ニンゲン!ボクたちの心情は緩くみんなで堕ちていこうです!こんな絶望になったらケーキはどこで食べるですか!」
最高の説得力、どうも。
「そうは言ってもケーキどころか普段の食事すら困ってるわけで」
「ニンゲン!諦めたらなりません!地獄に仏と言うでしょう!いざ、ケーキ!」
悪魔は荒野を歩きだすのだった……。
だった……。
あ、戻ってきた。
「ニンゲン?なぜついてこないです?」
「え?アンタがケーキ欲しいだけでしょ?」
「それはそうですけど、物語と言いますか」
メタい発言はやめなさい。
「くぅ!アレもコレもドレも!全部アイツのせいです!」
無理に話を進めようとしないの。
「魔王、ぎゅー魔王!ヤツのせいでこんなケーキも和菓子もチョコもない世界に!」
まさかの牛が魔王ポジなわけ?
「そうなのです……。あのホルスタインの衣をまといて世界を支配したのです……」
狐、おっはー。
「おっはー……ごほん!ニンゲン殿、あのぎゅー魔王を倒ちに行くというのですね?」
こっちも強引に話進めてくるし。
「ごんちゃーん!そうなのです!ボクたちはケーキを取り戻すために!」
巻き込むなー。牛とのケンカならふたりでやってよー。
「決意は固いようですね、であればこの剣を授けましょう」
狐がおもむろにバターナイフを取り出す。
「これは退魔の剣。これで脂身を削げば魔王の力も削げましょう」
「ごんちゃん、ありがとうなのです!ニンゲン!行きますよ!」
こうして悪魔とニンゲンはケーキを取り戻すたびに出るのであった!
「ていう夢を見たのよ」
「ニンゲン、疲れてません?」
「某賢者なのですね!」
「ボク、風評被害酷くありません?」
今日も平和です。




