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悪魔がウチにおりまして・367

ウチにはウーパールーパーがいる。

未だに何を言っているのかわからないうぱが。


「うぱ、何してるの?」

さっきからうぱがすり鉢で何かを混ぜている。

トロっとしたものをいくつか注いでいるのがわかるのだが、なんなのだろうか。

声をかけると振り向いて注いでいるボトルを見せてくれた。

うん、読めないな。

一生懸命ボトルを振ってくれてるんだけど、書かれている文字が見たことないし、なんだったら振ってるせいでまともに見れやしない。

しばらくボトルを振っていていたのだが伝えることを諦めてすり鉢に戻っていく。

後ろから眺めていると混ぜているモノは、白いのと、茶色、そして透明か。

この色味でしょ?で、うぱでしょ?

「……練乳、ハチミツ、水あめ?」

私の言葉を聞くとうぱは嬉しそうにサムズアップする。

当たって何よりです。

「でもそんな甘いの混ぜて何してる……」

「みぎゃー!」

そんな時に悪魔の悲鳴がキッチンから響く。

「悪魔、どうしたの?」

さすがに尋常じゃない叫び声。

急いでキッチンに向かうと悪魔が目を押さえて座り込んでいた。

「に、ニンゲン……、目が、目がぁ……」

心配しなきゃいけないんだろうけどなぜだろう、この拍子抜け感。

「えっと戻ればいい?」

「心配しろです!チャーハン作ってたら目にホムラクルミが弾けてきまして」

また変な食材使って料理してたんかい。

「ニンゲン、目が痛いのですー」

押さえているのと反対の目は涙を溜めて今にもこぼれそう。

「そのクルミって固いの?」

「香辛料なので粉末なのですー。辛いのでヒリヒリしますー」

唐辛子を目に入れちゃったみたいなものか。

「とりあえず目を洗って……」

そんなとき、うぱがさっきのすり鉢を持ってきて悪魔に馬乗りになる。

「うぱちゃん、いったい何を……みぎゃー!?」

うぱはあろうことか悪魔の押さえていた目に甘味ブレンドを注ぎ始める。

「うぱ、それは止めなさい!」

いくら痛めつけても効かない悪魔でもさすがにケガしてるときくらいは優しく……。

「ニンゲン、なんかヒドイこと考えてる気がします!ボクにはもうわかるです!」

目に糖液を注がれながら抵抗する余力が残っているとは。

「……あれ?痛いの消えたですー。うぱちゃん、コレお薬です?」

ただの甘い液体です。

まぁ、治ったならいっか。


ウチにはうぱがいる。

さっきから私の紅茶にアレを注ごうとしているうぱが。

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