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悪魔がウチにおりまして・365

ウチには悪魔がいる。

いそいそと装備を整えている悪魔が。


「何してるの、アンタ?」

なにやら大きなリュックにいろいろ詰め込んでいる。

「もみじ狩りの準備ですー」

もみじ狩り、もうそんな季節かと思うとしみじみお茶が美味しく感じる。

「私も行きたいなぁ」

スケジュールが合うならっていう前提はありますが。

「ニンゲンも行くです?明日ですけど」

「行く行くー」

明日は休み、急ではあるけど場所次第で全然……。

「わかりましたー。それなら6時に出発ですので」

「はーい」

特急で準備しないとね。


「きしゃー」

えっと、目の前のコレ、何?

「ニンゲンー。不用意に近付くとかじられますー。回り込むですよー」

目の前に飛び交うモモンガサイズの赤い葉っぱ。

「悪魔!これ何!?」

「何って、もみじですよ?」

そうよね、悪魔の領域に連れられた時点でそんな気はしてたよ!

しかも葉っぱに目と手足付けただけのようなふざけた風貌の癖に速いんだわ。

「悪魔、コレもみじ狩り違う」

「えー?イノシシ狩りとかと同じですよ?獲って食べるですー」

「むきー」

食べるという言葉に赤い奴らはこちらへ威嚇を強めてくる。

もみじと呼べって?

自立歩行しているモノをもみじと認めたくない気持ち伝わって。

悪魔はラケットを振り回し、次々に赤いアレを打ち落としていく。

「みきゅー」

なんか罪悪感煽る悲鳴あげてるな。

「はっはっはー。ボクの前にひれ伏すがいいー」

邪悪なこと言いながらラケットを打ち付ける。

……考えたらこの子も悪魔か。

「いやー、たくさん獲れたですー」

腰の紐に捉えた赤に穴を開けて結んである。

そいつらがきゅーきゅー鳴いているんだけど。

悪魔の足元にすがりつく小さな赤。

「悪魔、めっちゃ罪悪感あるんだけど」

「……ニンゲン。コレ、植物ですよ?なんならこの小さいのに騙された悪魔が苗床にされる災害は年に50件くらいあって……」

「焼いていい?」


ウチでは悪魔が赤いのを水に浸けている。

「しっかりアク抜きをしないとエグくて食べられないのです」

「ふひー」

なんで赤いのリラックスしてるんだよ。

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