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悪魔がウチにおりまして・361

ウチには悪魔がいる。

スプーンを落とした悪魔が。


それはおやつの時間、プリンをみんなで食べていた時に急に固まった。

まるでさび付いたように首をぎぎぎっとこちらに向けてくる。

「……ニ、ニンゲン。大変なことを思い出しました」

「アンタがそういう時ってしょうもないか、本当にシャレにならないかどっちかなんだけど」

体感8割くらいはどうでも良いことなんだけど。

「たぶん、2割の方です」

アンタ、私の考えを読むんじゃないよ。

「こっちの世界に滞在ビザの更新、忘れてました」

……ビザ制、だったの?

「まずいです、早くしないと強制送還です」

「ほら、さっさと更新準備しないと」

「それがー、面倒くさくてぇ。疲れちゃってぇ」

中途半端に古いネタを挟むんじゃない。

「ミミ君!まさか不法滞在ですか?」

そう言われるととんでもない重罪に聞こえる不思議。

「羊さーん。書類手伝ってくださーい」

悪魔が羊に膝枕を始める。

「しっしっ。自分のことは自分でおやりなさい。私もそこそこ忙しいのです」

ちらりと羊を見ると「妻を喜ばせるには?倦怠期を乗り越えろ!」と大きく見出しの書かれた週刊誌を背中に隠している。

信じるな、ネタの可能性高いぞー。

「ちなみに強制送還ってそんなに慌てること?」

コヤツの性格を考えると命の危険くらいないとなあなあにしそうだけど。

「爆撃されます」

……聞き間違えだよね?

「爆撃ですね」

羊も頷いているあたり、本当のことなのだろう。

今まで我関せずでプリンを食べていた狐がちゃぶ台をがちゃんと叩く。

「ミミちゃん?ここはそれがちのびるということを覚えていますか?」

あ、ヤバイ。これはヤバい。

「ご、ごんちゃ」

「爆撃ということはこのびるに攻撃をされるということでしょう?」

このキレ方、どっかで見たことあるなぁと思ったらモグラがガン詰めしてるときと一緒だ。

「つまり、みみちゃんはそれがちが一生懸命建てたびるを吹き飛ばすおつもりで?」

「……申請、今日中に」

「当たり前ですよ?なんでそれで帳消しになると思ってるんですか?」

狐も怖……。


ウチには悪魔がいる。

いや、今は悪魔のような狐、か。

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