悪魔がウチにおりまして・357
牛はビールを飲んでいる。
なんでウチに居るの?
「ニンゲンさん、久しぶりですね。どうです?駆けつけ5杯」
少し多くない?
「牛、アンタの部屋確か上でしょ?なんでわざわざウチに?」
最近ウチに来なかったからもうご飯要らないのかと思ってたけど。
「そろそろおにぎり無くなったかなって」
有り余ってますとも、まだまだたくさん。
部屋の隅では悪魔が窓に向かって祈りを捧げている。
「おにぎりさま、ばんざーい。白米さま、ばんざーい」
「ミミさん、大丈夫です?新しい祈りでもオラクルしました?」
「おや、牛さんー。おにぎりさまに祈りを捧げに来ましたかー?」
牛は十字を切る。
「おお、神よ。この哀れな悪魔に浄化の光を与えたまえ」
牛、それ悪魔が消えるんじゃない?
「それくらいで消えられるなら、こんなにのうのうと生きてませんて」
おっしゃる通りでしょうね。
「しかし、まだおにぎっているとは。いい加減いろいろと飽きてくるでしょう?」
おにぎりを動詞にするんじゃない。
「飽きた結果悪魔が目覚めちゃったんだけどね」
ふぅとため息を吐くと悪魔が地団駄を踏み始める。
「ここに!ツッコミは!いないのですか!」
今までおにぎっていたのは演技だったの!?
「ニンゲン!そろそろコメ以外を食わせるですお茶漬けとか炒飯とか雑炊とか!よくもまぁおにぎりだけ食わせてくれたものです!」
工夫して頑張った私を誉めて欲しい。
「ボクは昨日ビフテキ食べてきました」
「共食いするんじゃねーです!」
悪魔、キレ方がキレッキレなのはそんなにおにぎり食べさせ続けたの、ストレスだった?
「共食いとは頂けない。この世に生を受けているものは皆兄弟のようなもの。植物も、動物も等しく命。それならば、皆共食いと言うことになりませんか?」
屁理屈にもなってないよなぁ。
「牛ごときが屁理屈コネコネ、あなたパン職人ですか!」
訳のわからんツッコミ、いつもの悪魔だ。
「どちらかと言うとそばが好きですね」
こっちもマイペース、いつもの牛だ。
「んなこた聞いてねーです!あまりボクを舐めてると、痛い目に……」
どーゆーキレ方か分からないが悪魔ブチ切れてるぞ!
牛、どうする!?
「ほう?ボクに逆らうというので?」
牛が背中に隠していた紙袋、そこには有名ハンバーガーチェーンのロゴが印刷されていた。
「……う、牛さまー!」
陥落早かったなー。
「ちなみに何買ってきたの?」
「ライスバーガーを」
「この牛、材料にしていいですか!?」




