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悪魔がウチにおりまして・345

ウチには……。

「ヘイ、ニンゲン!今日もドリームにタンデム……」

「夢から醒めろ」


「ニンゲン!?グーはアカンです、グーは!」

頬を撫でながら悪魔が叫んでいる。

2秒前に起きたことは、誰も見ていない。いいね?

「変な口調で誘ってきたけど、何がしたかったの?」

「そうなのです!ニンゲン、旅行ならどこに行きたいですか?」

唐突なのはいつものことであるが、それでアメリカンだったのかと少し納得。

「旅行かぁ……特に無いかなぁ」

そんなまとまった休みなんて取れないし。

「ヘイ、ニンゲン!?そんなホープの無いヴィジョンで良いのかい?……ごめんなさい、ぶたないで」

また言葉が変になったのでこぶしを握り締めると素直に謝ってきた。

よろしい。

「いきなりどうしたのよ」

「実は旅行券が当たりまして」

なんでコイツはこんなに抽選に当たるのか。

「それってちゃんとこっちの世界で使えるの?」

なんかこの前比喩とかじゃなく地獄に行った気がするんだけど。

「えっと、こっちでも使えます」

つまりあっちのくじを当てた、と。

「それならウチの子たちといってらっしゃいな、私は休めないから」

「えー!ニンゲンといきたい、いきたい、いきたーい!」

キャラ変わってるじゃない。

「そうねー、それなら……京都」

「ダメです」

即答!?

「アンタが行きたいところ聞いたんじゃない」

確かにベタで、悪魔くらい長生きしてると飽きているのかもしれないけどさ。

しかし悪魔はゆっくり首を振った。

「京都は……結界が強いので」

「そういえば、一応悪魔だったわね」

まさか旅行先を選ぶのに結界の配慮が加わるとは思ってなかった。

「ごんちゃーん!!」

悪魔が叫び声をあげると、目がガン極まりの狐が顔を出して顎をガシっと掴む。

「叫ばなくても聞こえます。良いですね?」

「寝てたですね。ごんちゃん結界すり抜ける方法無いですか?」

顎掴まれたまま尋ねること?

「今、不審者ふちんしゃが多いので強くなってます、無理です」

顎から手を離すと真面目モードで答える。

「あー……」

不審者という単語に目を逸らす悪魔。

「ニンゲン、京都は諦めましょう」

「ねぇ、まさか不審しゃ……」

「諦めましょう!」


結局旅行券を換金、いいお肉になりました。

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